公開日 2025年12月04日
外来植物とは~在来植物への脅威~
「外来植物」とは、元々その地域になかったが、園芸目的など人間の活動によって他の地域から持ち込まれ、種が飛散するなどして定着してしまった植物のことです。外来植物の中には、繁殖力が強く、在来植物(その地域に古来から生息している植物)の住処を脅かし、全滅に追い込む恐れのある植物も少なくありません。
在来植物が減り、外来植物が増えていくと、元々の生態系が崩れることになります。登別市の自然を守っていくためには、外来植物の生息拡大を防止することが重要となります。外来植物がたくさん生息している場所などを発見しましたら、市に情報提供をお願いします。
特定外来生物とは~特に注意が必要な生物~
外来の生物の中で特に注意すべきものは、法律により「特定外来生物」に指定されています。特定外来生物に指定されている植物は、特に繁殖力が強く、在来種への影響が大きいものが多いです。
特定外来生物に指定された生物は、栽培、保管、販売、譲渡、種をまくことなどは禁止されており、違反した場合には罰則が課せられます。
※以下、特定外来生物の植物を「特定外来植物」と表記します。
駆除する場合の方法~種や根にご注意を~
外来植物の中には、少しの根から再生する種類もあります。外来植物を駆除する場合は、種ができる前に根から抜き取り、ビニール袋などに密封して日当たりの良い場所に数日置き、草が枯れたり腐ったりしてから可燃ごみとして出してください。種ができている場合は、飛散しないよう十分注意ください。
刈り取りが有効な場合もありますが、種ができてから刈り取りを行うと飛散する恐れがあり、かえって外来種の生息拡大につながる恐れがあるのでご注意ください。
種が土壌に落ちると蓄積し、翌年以降も数年にわたり発芽する可能性がありますので、種をつける前に、根ごと駆除することが重要です。また、植物の種類によっては、2m程の高さまで成長するものもあります。成長しきってから駆除するのは大きな負担となりますので、駆除する場合は、植物が生長しきる前に行うことをご検討ください。
※他人の土地で外来植物を発見した際に、勝手に駆除しようとするとトラブルになる恐れがありますので、ご注意ください。
特に注意が必要な外来植物をご紹介します
登別市で定着が確認されている外来植物
登別市では確認されていないが北海道内で定着が確認されている特定外来植物
オオハンゴンソウ(特定外来植物)
・特徴~北米原産のキク科の多年草。高さ1~3mになり、7~10月に直径6~10cmの鮮やかな黄色い花を咲かせます。花期は7月から8月です。国内には観賞用として移入されました。
・生育環境~道ばた、荒地、畑地、湿原、河川敷などに生育します。

・酷似種~アラゲハンゴンソウ
・アンゲラハンゴンソウの駆除について~特定外来植物ではありませんが、環境省の定める「生態系被害防止外来種リスト」にて「その他の総合対策外来種」に指定されています。
酷似種との見分け方~ http://bluelist.pref.hokkaido.lg.jp/doumin/miwakekata8.html(北海道ブルーリスト2010)
参考 https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/iaslist.html(環境省:生態系被害防止外来種リスト)
植えないで!増やさないで!特定外来生物オオハンゴンソウ (環境省)
メマツヨイグサ
・特徴~北米原産のアカバナ科の二年草で、7月から9月にかけて、50~120cm程の高さとなり、花は茎の上部に密につき、直径2.5~5cmで黄色。夕方から咲き始め、朝にはしぼむ一日花です。開けた攪乱された場所に生えます。果実は棒状で、熟すと先が4つに開き、この中に細かい種がびっしりと詰まっています。風などで揺れるたびに、中の種が隙間から散布されていくしくみとなっています。
・生育環境~道端、荒地、河川敷、草地、畑地、牧草地、樹園地に生育します。


イワミツバ(フイリイワミツバを含む)(指定外来種)
・特徴~ユーラシア原産のセリ科の多草で、雪解けと同時に芽を出し始め、6月上旬ごろから花芽を出して、7月いっぱいぐらいまで、茎のてっぺんに白い小さな花をたくさん着けた花冠を形成します。葉だけの茎の高さは、地面から20~40cmほどですが、花がある茎の高さは50~80cmになります。
・生育環境~溝端や湿地、道端、空地などに生育します。
・その他~北海道生物多様性保全条例に基づく「指定外来種」に指定されています。
指定外来種とは? https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/shiteigairaishu01.html(北海道HP)

イワミツバ

フイリイワミツバ
ヘラオオバコ
・特徴~ヨーロッパ原産のオオバコ科多年草で、開花時期は6月~7月ころで、高さが40cm~70cmとなっています。花茎が伸びると30センチ以上にまでになることもあります。野原で一面、 白い綿棒のような花を咲かせて、 風に穂をなびかせます。
・生育環境~畑地や道端などに生育します。


オオアワダチソウ
・特徴~北米原産のキク科多年草で、開花時期は7月~9月ころで、高さが100cm~150cmとなっています。茎の高さが0.5~2mメートルになります。茎先の円錐状花序に、直径6ミリの黄色の頭花を密につけます。頭花は中心の筒状花と、その周りの舌状花からなります。葉は狭披針形で、縁には鋸歯がある。茎、葉は毛がなく、ざらつきません。
・生育環境~原野、空地、道端などに生育します。


・酷似種~セイタカアワダチソウ
・セイタカアワダチソウの駆除について~特定外来植物ではありませんが、環境省の定める「生態系被害防止外来種リスト」にて「重点対策外来種」に指定されています。
酷似種との見分け方~ http://bluelist.pref.hokkaido.lg.jp/doumin/miwakekata8.html(北海道ブルーリスト2010)
参考 https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/iaslist.html(環境省:生態系被害防止外来種リスト)
アメリカオニアザミ
・特徴~ヨーロッパ原産のキク科の多年草で、茎の高さは0.5メートルから1.5メートル、大きい個体は2メートルにもなり、夏から秋にかけて紅紫色の花を咲かせます。種にはタンポポのような綿毛がついており、風に乗って拡散します。葉や茎にはとても鋭いトゲがあるため、人や動物にケガをさせることがあり、動物もアメリカオニアザミを捕食することはありません。
・生育環境~農地、牧草地、道路脇(路肩)、荒れ地、原野などに生育します。
・駆除する際の注意点~長袖・長ズボンを着用し、厚手のゴム手袋や皮手袋をはめてください。軍手や台所用のゴム手袋では容易に貫通します。また、枯れたものでもトゲは鋭いまま残っているので、決して素手では触らないでください。


アウチウリ(特定外来植物)
・特徴~北米原産のウリ科の一年草のツル性植物です。葉はザラザラしており、粗い毛を密生したつるを伸ばし群生することが多いです。夏から秋に直径1cm程度の黄白色の花が集まって咲き、鋭い棘を密生した果実をつけます。長いもので10メートル以上に生長します。輸入大豆に混入した種子によって移入しました。
・生育環境~農地や河川敷、道路のり面などに生育します。


オオキンケイギク(特定外来植物)
・特徴~北米原産のキク科の多年草で、高さは30~70cm、5月から7月に直径5cmセンチから7cmの黄色い花をつけます。葉は地面に近い茎の下につき、両面に毛が生えています。花が終わっても完全に枯れることはなく、同じ株で冬を越して来年の春にまた生えてきます。国内には観賞用として移入されました。
・生育環境~道ばた、線路脇、河川敷などに生育します。


外来種被害予防3原則
1.入れない ~悪影響を及ぼすおそれのある外来種を 自然分布域から非分布域へ「入れない」
2.捨てない(逃がさない・放さない・逸出させないことを含む) ~飼養・栽培している外来種を 適切に管理し「捨てない」
3.拡げない(増やさないことを含む) ~既に野外にいる外来種を他地域に「拡げない」
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