公開日 2025年11月20日
風しんとは
風しんウイルスによる感染症で、特徴は発熱、発疹、リンパ節の腫れです。
妊娠早期(20週頃以前)の女性が感染することで、胎児に重篤な影響を与える『先天性風しん症候群』の原因となり、妊婦は特に注意が必要です。
※最新の発生状況については、感染症情報提供サイト(国立健康危機管理研究機構)からご確認ください。
主な症状
潜伏期間は2~3週間で、主な症状として発熱・全身の小さな赤い発疹・リンパ節の腫れ(主に首、後頭部、耳の後ろ)が認められます。
発熱・発疹は数日で消失しますが、リンパ節の腫れは3~6週間続きます。成人では関節痛や関節炎症状もありますが、基本的には自然に回復します。
また、2,000~5,000人に1人くらいの割合で、脳炎や血小板減少性紫斑病などの合併症を発症することがあります。
一方で、感染しても発症しない場合もあります。小児では30~50%、大人では15%程度と言われています。
妊娠中または妊娠の可能性がある方へ
風しんに対する免疫が不十分な女性が妊娠早期に感染すると、胎児が先天性心疾患や難聴、白内障などの先天異常を含んださまざまな症状を発症する『先天性風しん症候群』を発症する原因となると言われています。
※妊娠12週までにかかった場合85%、妊娠13~16週の場合は50%などとされています。
風しん流行時には、可能な限り不要不急の外出を避けていただき、やむを得ず外出をする際には可能な限り人混みを避けていただくなど、風しんにかからないように注意してください。
また、妊婦の周りにいる人も風しんに感染しないよう予防に努めてください。
発熱や発疹、リンパ節の腫れが出るなど風しんを疑う症状がある場合は、医療機関に相談し受診の必要の有無や注意点を確認しましょう。
また、感染しても症状がない場合あるため、周囲に風しんにかかっている人がいる場合は、妊婦健診の際に医師に伝えてください。
感染経路
感染した人の咳のしぶきを吸い込むことによる飛沫感染や、感染者と接触したりすることによる接触感染が知られています。ウイルス排出は、発疹が出る前後1週間で、発症前から感染力があります。
治療方法
基本的には、発熱に対する解熱剤など症状に応じた治療を行います。
予防と対策
風しんの予防には、麻しん風しん混合ワクチンの接種が有効です。
医療・教育関係者や海外渡航を計画している成人、風しんの罹患歴や予防接種歴が明らかでない場合やご自身の免疫が不十分なことが判明した方は予防接種を検討してください。
麻しん風しん混合ワクチンを接種することによって、95%程度の人が麻しんウイルスと風しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。また、2回の接種を受けることで1回の接種では免疫が付かなかった方の多くに免疫をつけることができます。
▶予防接種についてはこちらからご確認ください。
▶風しんについて(厚生労働省)

