公開日 2025年11月20日
百日咳とは
百日咳は『百日咳菌』という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症です。いずれの年齢でも罹患する可能性がありますが、小児が中心です。乳児期早期から罹患する可能性があり、乳児(特に新生児や乳児期早期)では重症化し、肺炎、脳症を合併し、まれに死に至ることもあります。
予防接種により乳児期の罹患リスクを低減できますが、予防接種を行っていない人や接種後年数が経過して免疫が減衰した人が発病することがあります。
※最新の発生状況については、感染症情報提供サイト(国立健康危機管理研究機構)からご確認ください。
主な症状
経過は3期に分けられ、全経過で約2~3カ月で回復するとされています。
1 カタル期(約2週間持続)
かぜ症状で始まり、次第に咳の回数が増えて程度も激しくなります。
2 痙咳期(けいがいき)(カタル期の後に約2~3週間持続)
次第に特徴ある発作性けいれん性の咳となります。
夜間の発作が多いですが、年齢が小さいほど症状は多様で、乳児期早期では特徴的な咳がなく、単に息を止めているような無呼吸発作からチアノーゼ、けいれん、呼吸停止と進展することがあります。
合併症としては肺炎や脳症などもあり特に乳児では注意が必要です。
3 回復期
激しい発作は次第に減衰し、2~3週間で認められなくなります。成人の百日咳では咳が長期にわたって持続しますが、典型的な発作性の咳を示すことはなく、やがて回復に向かいます。全経過で約2~3カ月で回復します。
感染経路
患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる細菌による飛沫感染や、感染者と接触したりすることによる接触感染とされています。
治療方法
生後6カ月以上は、抗菌薬による治療が検討されます。
また、咳が激しい場合には咳止め等の対症療法が行われることがあります。
予防と対策
有効な予防法は予防接種です。乳児は重症化しやすいため、生後2カ月を迎えたら五種混合ワクチン(百日咳・ジフテリア・破傷風・不活化ポリオ・ヒブ感染症の混合ワクチン)の定期予防接種をご検討ください。また、特に乳児のいるご家庭では、マスクの着用など咳エチケットや適切な手洗いなど、基本的な感染防止対策を心がけてください。
▶予防接種についてはこちらからご確認ください。
▶百日咳(厚生労働省)

