公開日 2025年11月20日
手足口病とは
口の中・手・足を中心に水疱性の発疹がでるウイルス感染症です。
手足口病は、主に子どもを中心に流行します。2歳以下が半数を占めますが、小学生でも流行的発生がみられることがあります。
成人を含めた小学生以上の大半は、すでにウイルスの感染を受けている場合が多いため、成人での発症はあまり多くありません。
※最新の発生状況については、感染症情報提供サイト(国立健康危機管理研究機構)からご確認ください。
主な症状
3~5日の潜伏期間の後、口の粘膜・手のひら・足の裏などに2~3ミリの水疱性の発疹、発熱、食欲不振、喉の痛みなどがみられます。
発熱は約3分の1にみられますが、38℃以下のことが多く、高熱が長く続くことは通常ありません。
ほとんどは3~7日のうちに治る感染症です。
しかしながら、まれに髄膜炎、小脳失調症、脳炎といった中枢神経系の合併症のほか、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺など、重篤な合併症を伴うことがありますので、手足口病にかかった場合は、経過を注意深く観察し、合併症に注意しましょう。
感染経路
手足口病にかかった人の咳やくしゃみ、唾などに含まれるウイルスによって感染します。
また、水疱の内容物や便に排出されたウイルスが手などを介し、口や眼などの粘膜に入って感染します。
特に、手足口病にかかりやすい年齢層の乳幼児が集団生活をしている保育施設や幼稚園などでは注意が必要です。
このような施設の中で手足口病の患者が発生した場合、子ども同士の生活距離が近く、濃厚接触が生じやすい環境であること、子どもたちの衛生観念がまだ発達していないことから、集団感染が起こりやすくなります。
治療方法
特別な治療方法はなく、症状に応じた治療となります。
口の中に発疹ができるため、食事がとりやすいよう柔らかく口に染みない食事を工夫し、水分補給を心がけることが大切です。
まれに合併症が起こる場合があるため、経過観察をしっかりと行い、
・高熱が出る ・発熱が2日以上続く ・嘔吐する ・頭を痛がる ・視線が合わない ・呼びかけに応えない ・呼吸が速くて息苦しそう ・水分が取れずにおしっこが出ない ・ぐったりとしている
などの症状がみられた場合は、医療機関への受診をご検討ください。
予防と対策
手洗いはしっかりと。タオルの共用は避けましょう。
一般的な感染対策は、接触感染を予防するために手洗いをしっかりとすることと、排泄物を適切に処理することです。中でも、保育施設など集団生活の場では、感染を広げないために職員と子どもたちがしっかりと手洗いをすることが大切です。
特に、おむつを交換する時には、排泄物を適切に処理し、しっかりと手洗いをしてください。
手足口病は、治った後も比較的長い期間、便の中にウイルスが排泄され、また、感染しても発病しないままウイルスを排泄している場合もあると考えられることから、発病した人だけを長期間隔離しても有効な感染対策とはならず、日頃からのしっかりとした手洗いが大切です。
▶手足口病(厚生労働省)

