公開日 2013年03月05日
◎連座制とは
連座制とは、候補者・立候補予定者と一定の関係にある者が買収などの罪をおかして刑に処せられた場合(執行猶予を含む)、たとえ候補者・立候補予定者が買収等の行為に関わっていなくともその選挙の当選を無効にするととともに、 立候補を制限する制裁を科す制度です。
◎連座制の対象者
対象者 | 対象となる事由 |
総括主宰者 ※1 | 買収罪等の悪質な選挙違反を犯し、罰金以上の刑に処せられた場合(執行猶予を含む) |
出納責任者 ※2 | |
地域主宰者 ※3 | |
親族 ※4 | 買収罪等の悪質な選挙違反を犯し、禁錮以上の刑に処せられた場合(執行猶予を含む) |
秘書 ※5 | |
組織的選挙運動管理者等 ※6 |
※1 総括主宰者
候補者のための選挙運動のおこなわれる全地域にわたり選挙運動の中心勢力となり、ある期間継続して選挙運動に関する諸般の事務を総括して指揮する人のことをいいます。
一般的に「選挙参謀」、「選挙事務長」などと言われている人のことです。
※2 出納責任者
候補者、推薦届出者または候補者届出政党により正式に選任され、届け出られた出納責任者のことです。このほか届出はされないものの、候補者または正式の出納責任者と意思を通じて、選挙運動費用の法定限度額の2分の1以上に相当する額を支出した、事実上の出納責任者も含まれます。
※3 地域主宰者
3つ以内に分けられた選挙区(選挙区がないときは、選挙のおこなわれる区域)の地域のうち、1つまたは2つの地域における選挙運動を主宰すべきものとして候補者または総括主宰者から定められ、当該地域における選挙運動を主宰した人をいいます。いわば、総括主宰者に準ずる地位の人です。
※4 候補者等の親族
候補者等の父母、配偶者、子または兄弟姉妹をいいます(候補者等との同居の有無は問いません)。候補者等、総括主宰者または地域主宰者と連絡をとって(黙示の意志疎通も含みます。5、6も同様)選挙運動をした場合に限り、連座制の対象者となります。
※5 候補者等の秘書
候補者等に使用される人で、当該候補者等の政治活動を補佐する人をいいます。「親族」と同様、候補者等、総括主宰者または地域主宰者と連絡をとって選挙運動をおこなった場合に限り、連座制の対象者となります。また、候補者等の秘書という名称を使用する人またはこれに類する名称を使用する人は、当該候補者等がこれらの名称の使用を承諾し、または容認している場合には秘書と推定されます。
※6 組織的選挙運動管理者等
政党、後援会、企業、労働組合、宗教団体、協同組合、町内会、自治会、同窓会などの組織で、候補者等と連絡をとって選挙運動がおこなわれる場合に、次のようなことを行う人です。
●選挙運動の計画の立案、調整をおこなう人
選挙運動全体の計画を立てたり、その調整をおこなう人をはじめ、ビラ配り、ポスター貼りなどの選挙運\動の一部分の計画を立てたり、その調整をおこなう人です。
●選挙運動に従事する人の指揮もしくは監督をおこなう人
ビラ配り、ポスター貼り、個人演説会の会場設営、電話作戦など、実際に選挙運動をおこなう人の指揮・監督をする人です。
●その他選挙運動の管理をおこなう人
選挙運動をおこなっている人の弁当の手配、車の手配、個人演説会の会場の確保など、後方支援活動の管理をおこなう人です。
◎連座制の効果
連座制の効果は、つぎの2つです。
●当選の無効
候補者の当選が無効になります。
衆議院議員選挙で小選挙区・比例代表選出議員に重複して立候補した者について、小選挙区選出議員選挙に連座制が適用されると、比例代表選出議員選挙での当選も無効になります。
●立候補の制限
5年間、同じ選挙で、同じ選挙区から立候補できないことになります。
◎免責について
組織的選挙運動管理者などが買収罪等の罪を犯し、禁錮以上の刑(執行猶予を含む)に処せられた場合であっても、次の3つの場合には連座制は適用されません。
(1)買収などの行為が「おとり行為」である場合
「おとり」とは、連座制適用で当選が無効になったり立候補が制限されることを目的とし、他の候補者・立候補予定者の陣営と意思を通じて連座の対象者を誘導あるいは挑発して連座対象者に買収罪等の罪を犯させることです。
(2)買収などの行為が「寝返り行為」である場合
「寝返り」とは、連座制適用で当選が無効になったり立候補が制限されることを目的とし、連座の対象者が、他の候補者・立候補予定者の陣営と意思を通じて、買収などの罪を犯すことです。
(3)候補者・立候補予定者が、組織的選挙運動の管理者などが買収などの行為をしないよう、相当の注意を怠らなかった場合