令和5年第4回定例記者会見

公開日 2023年09月01日

場所:議場

 

 

市長あいさつ

 

 本日は、天気が悪く非常に猛暑の中、令和5年第4回定例記者会見にお越しいただきありがとうございます。
 また記者会の皆様方におかれましては、この場をお借りし、日頃から市民への市政情報の発信にご協力を賜っておりますことを感謝申し上げます。
 それでは現在の本市の状況について、いくつかお伝えします。
 第60回登別地獄祭につきましては、先週の8月25日(金)から27日(日)まで3日間にわたり、登別国際観光コンベンション協会様と共催で開催いたしました。
 本市最大のイベントである本祭りは、コロナ禍で3年間実施を見合わせておりましたが、今回4年ぶりに開催することが叶いました。皆様の事前報道のおかげもあり、およそ6万2000人という大変多くの方々のご来場いただき、大盛況で幕を閉じることができました。改めて感謝申し上げます。
 私自身もオープニングセレモニーや鬼踊り大群舞など、お祭り現場の要所要所で足を運び、観光客や地元の方々、祭りに関わる皆さんの本当に楽しそうな顔を見ることができ、非常に嬉しく感じました。
 各年代の中でも、特に本州方面はまだこの時期夏休みということもあり、また週末というタイミングで、子供たちが多く見られました。その子供たちの眩しいほどの笑顔がとても印象に残っています。
 新型コロナの感染対策に追われたこの期間は、大人にとっても長い時間ではありますが、子供にとっては、特に始まったばかりの人生のうち、約4年間という多くの時間をこのコロナ禍が占めていたのではないかと思います。ここにきてやっと本来の社会の楽しみを子供たちに体験させてあげられることは、大人世代の責務を少しずつではありますが果たせているのではないかと感じております。今後も、子供たちに楽しんでもらえるような多くのイベントを展開するために、これまでの経験と、そのノウハウを市全体で共有しながら、今後の対応を見守っていきたいと思います。
 改めて、地獄祭りに向けた誘客、そして円滑な運営にご尽力いただきました皆様に感謝申し上げます。ありがとうございます。
 続きまして、登別市白石市姉妹都市提携40周年の記念式典および祝賀会についてでございます。地獄祭の最終日に、登別グランドホテルを会場とし、登別市、白井市姉妹都市提携40周年記念式典および祝賀会が行われました。
 式典に先立ちまして記念鼎談といたしまして日野安信登別市姉妹都市等都市間交流協会長そして佐藤善一白石姉妹都市交流協会長、そして武藤征一白石区ふるさと会会長のお三方にこれまでの交流の歴史やエピソードを紹介していただき、改めて2市1区の歴史の深さや交流の絆の強さを実感したところです。
 式典においては、白石市から山田市長をはじめ市民訪問団の皆様など30名を超える多くの皆様に来ていただきました。
 加えて、両者ともに姉妹都市であります神奈川県海老名市からは内野市長、三田商工会議所会頭、井上観光交流会会長、そして本市と同じ白石市からルーツを引く札幌市白石区から、白石区役所の和泉白石区市民部長等、来賓のご臨席を賜り、ゆかりのある方々に見守られ両市の友好の誓いを新たにしたところです。
 記念式典そして祝賀会では、先ほどご紹介いたしました両市町や各町の交流会の方々などと、とても楽しい時間を過ごすことができ、改めて家族のような、あるいは親戚のような距離感で、いろいろな会話・交流ができたことをとても嬉しく思っております。関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。
 この2市は、明後日から始まります幌別地区の手作り祭りの準備のため、明日から海老名市から8名、そして白石市から7名、物産展のために友情として来ていただきます。
 また、今回は登別グランドホテルで登別市側の40周年の記念式典と祝賀会をしましたが、10月7日、8日に白石市内において開催される白石小十郎祭りに本市も参加させていただき、その際、白石市主催の40周年の記念式典を行うこととなっています。市民ツアーとして約20名程度の参加を募り、一つの思い出を作りたいと思っているところです。
 改めてこの歴史の重みを感じながら、次の方々に引き継げるようなお付き合いをこれからもしてまいりたいと思います。
 3点目になりますが、令和4年度の観光入り込み客数および訪日外国人の宿泊者延べ数についてでございます。
 数字については6月に記者会の皆様へお知らせをしていたところですが、令和4年度の本市観光客入り込み数は約233万7000人。訪日外国人宿泊者延べ数は約10万6000人で、いずれも前年度実績を大きく上回る数字となりました。この大幅上昇の外的要因は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い実施された遠隔地往来の厳しい規制、そしてその緩和によるものでありますが、回復途上であります令和4年度の実績は、残念ながらコロナ禍前の数字に回復するまでには至っておりません。しかし、本年5月より新型コロナウイルス感染症の分類が5類となったことに伴い、観光客の入り込み数等の回復傾向はますます高まるものと捉えていますので、旅行マインドを取り戻した観光客の皆様方が、旅行先に本市を選んでいただけるよう、これからも誘客施策並びに宣伝等を実施しつつ、記者会の皆様方にも引き続きご協力をいただきながら努力してまいりたいと思います。
 次に、全市一斉防災避難訓練についてお話させていただきます。9月9日(土)に登別市連合町内会主催で全市一斉防災避難訓練が実施されます。日本海溝で巨大地震が発生し、太平洋沿岸に大津波が襲来するという設定のもと、自分自身と大切な人を守るため、実際に災害が発生したときにはどのような行動をとるべきなのか、そしてどこへ避難するべきか、何を準備しておくべきかなどの再確認をする大切な機会となります。
 また、実際に災害が発生すると、停電や通信障害などにより家族間でも御連絡が取りにくくなりますので、この訓練を通じて避難する場所や連絡方法などについて事前に家族で決めていただく契機となることを望んでいるところです。
 最近までの大変な暑さであったり、これまでの体験や常識では想像しがたいような気象状況が本州を含め全道、全国で現実となっております。本市の市民の皆様は他市等の皆さんと比べても非常に防災意識が高いと私は誇りに思っているところでございますが、今回の訓練が、連合町内会主催であるということからも分かるとおり、自主防災意識も高く持っていただいておりますので、今回の訓練を通じて、市と連合町内会の防災体制がさらにしっかり保たれるように、その確認をしたり、また今後の考えについて、さらに再検討するように少し勉強していきたいと思います。
 特に今回9月9日というのはまだ猛暑と言われ暑い時期の最中ですが、寒い時期にも訓練の準備が必要ですので、その準備を夏・冬という形で、実行できるようにしたいことと、今回の9月9日の訓練は津波による一時避難ですので、一時避難が成功した後、特に寒い時期には暖かい場所へ逃げるための2次避難についても本格的に検討しなければいけません。皆さんご存知のとおり、NEXCO東日本様など様々な団体との協議を進め、次のステップに進む準備をして参ります。
 最後になりますが、美園町6丁目の擁壁崩壊事案についてでございます。
 6月10日午前0時40分に、擁壁の崩壊が発生しました。
 崩壊した擁壁により2軒の住宅が被災したことと、午前1時23分に近隣21世帯へ避難指示を発出したこと、午前2時53分には鷲別コミュニティセンターに避難所を開設したということになります。
 その後、周辺道路の通行止めを消防や警察の力を借りて行い、避難所への状況説明のうえ、市職員が同行して着替えや貴重品等の持ち出しのため、一旦避難者の皆さんには一時帰宅を実施をしていただきました。
 私も6月11日、避難所を訪れ、避難された皆様から現状についての困りごと、そして市側からお願いしたいことについてお話をする機会をいただきました。対応については職員に指示をさせていただき、その後、市と専門業者による現地調査を実施しながら、段階的に避難指示の解除や交通規制の縮小を実施し、6月16日に、避難所から全ての避難者の方々が退去したということを確認した上で避難所を閉鎖いたしました。
 以上の点は、6月26日の総務教育委員会で情報提供したところでございますが、8月29日の総務教育委員会で情報提供した点について再度お話させていただきます。
 7月上旬、所有者等と面談し擁壁の撤去や崩れた土砂災害の対策、これらの工事を実施するに当たって必要となる家屋の解体について、工事の方法や費用を説明させていただきました。
 この時点で、基本的に市のスタンスとしては、擁壁の撤去と崩れた土砂、二次災害が起きないということが前提での話になりまして、その一環で家屋についての解体があったということで、家屋の解体をメインで考えてはいないことをご認識いただきたいなと思います。
 その上で、7月下旬から8月上旬にかけて、所有者の皆さんと直接、個人で対応することについての有無についてお話をさせていただきました。全ての方から、個人で対応することは困難だという意見が寄せられましたので、復旧工事については現在もまだ至っていないのが現状です。
 市としてはこの時期よりも前に、いわゆる激甚災害に相当する大型天災にならないのかどうかということを考え、活用できる国や道の支援制度がないかということを、再三、北海道と協議を行ってまいりましたけれども、気象庁の根拠性であったり、また、道が持っているこれまでの知見からすると美園町のケースは現在のところ該当する制度はないという状況でありましたので、市の方としては事前に応急措置としては大型土嚢の設置をさせていただいて現在に至っているところでございます。
 しかしながら、背後には市道美園70号線であったり下方に位置します市道鷲別旧墓地路線などに被害が及ぶ可能性が十分見込まれる可能性もあることから、安全確保を第一ということで、最終的にはその土砂災害に至らないということを最終目標とをするために、工事を市で行うことを提案すべきだということで決意をさせていただきました。
 これの発端には広島県や熱海の土砂災害が一つの事例になりまして、結局、土砂災害が発生しますと市が持っている市道だけではなく、民地の家屋の撤去や流れてきた土砂そのものを撤去しなければいけないという大きな工事なります。
 それより以前に、人の命が関わっているということになりますので、今後の対応については、この工事を市で行うという提案に同意が得られるように、所有者等と現在協議中でございます。個別の案件につきましては、協議中のものや個人的な情報も含まれておりますので、現時点では私の方からもなかなかお答えできない件についてはご理解いただきたいと思います。
 ただ個人の所有している、特に底地と上物の家屋については、どう考えても個人の経費ということになりますので、仮に解体をするとかそういうような案件になっても、個人がその費用を出費するのか、それとも市が代行するのか、様々な考えを今でも張り巡らせておりまして、まだそこについては、解決の答えがまだできていないというのが現実でございます。
 そういったところで総務・教育委員会等で情報提供した案件についてこの定例記者会見等の場面で繰り返し説明させていただきましたけれども、本事案についてはこれからも、皆様方の貴重なご意見も踏まえながら、またご質問をいただきながら慎重にそして丁寧に解決するように対応してまいりたいと思っているところでございます。
 終わりになりますが、一昨日、工事中に消防の本庁舎の方も行ってまいりました。
 躯体の方はもうほとんどできてまして、電気工事の方が少し見えてきたかなと思ってますが、少しセキュリティの面で私自身が、まだまだ聞きたいことがありまして、ちょっとこれからは本格的に現場に行って、セキュリティの関係、それと緊急事態における対応体制がどこまできちんとなってるかというのを、電気の観点であったり、間取りの観点であったりというところでやっていきたいと思います。
 また本庁舎設計につきましてはいよいよ大詰めを迎えまして、外構の設計の部分を協議をさせていただいておりますけれども、他の現場見ると、いわゆる資材の高騰と人手不足で、どうしても工期が1年とか2年とか簡単に伸びてるのが実情でして、札幌駅の工事も伸びているというふうにお聞きしております。
 ここに関しては国からの手厚い交付税交付金等の関係や、起債制度などのしっかりとした枠組みの中で履行しないとならないところがありますので、ここはちょっとシビアに設計会社と、今後やってくれるであろうどこかの施工会社に対し、厳しくお話をさせていただく準備をしていきたいなと思っているところでございます。
 引き続き、周囲の皆様の声を大切にしながら、インフラ整備についてはしっかりと目を光らせて運営をしていきたいと思っております。
 あと1点、ご存知のとおり、ふるさと会が関西にも一つ発足をしていただきました。
 札幌と東京と関西にふるさと会があるということになりましたので、まちづくり等の市政運営につきましても、ふるさと会の力もお借りしながら、というふうに思っております。
 以上で現時点での説明を終わらせていただきますが、記者会の皆様におかれましても、今後も情報発信等につきましてはお力添えをいただくように、私からもお願い申し上げたいと思います。
 令和5年第3回登別市議会定例会の議案等でありますが、令和5年度一般会計及び特別会計の補正予算に関わる案件そして条例の一部改正など、報告5件、議案10件を予定しておりますので、現時点で不明な点がございましたら、後ほど担当の方からも説明をさせていただきますのでよろしくお願いします。私からは以上でございます。

質疑応答

【室蘭民報社】:1点目、美園町の擁壁崩壊の件で当初住民の方が工事の費用を負担するとなってましたが、市で費用を負担して工事を行うとなった経緯を改めて教えていただきたい。
 2点目、現在市が進めている給食センターについての議論の進捗状況を教えていただきたい。
 3点目、市役所の新庁舎建設の実施設計に基本設計にない部分で新たに加えた部分はあるか。

【市長】:1番目の擁壁の関係ですが、その負担経費につきましては、先ほど一部お話させていただきましたが、基本的には個人の財産ですから、本来であれば土地、擁壁、建物を全て個人が負担をするということが大原則になります。
 その大原則の中で、いろいろなご意見があります。
 見方としては大きく二つありまして、一つは甚大な災害なので、早く公的な費用で復旧すべきではないかというご意見、一方で、なぜ税金を使って個人財産の工事をしなければいけないのかというご意見です。
 この双方のご意見を踏まえ、我々が今すべきことについてこれまで協議をしてまいりました。
 その中でまず建物に関してはこれからも基本的には所有者がしっかりと管理そして復旧なり、解体をするということが原則でこれからやっていくのですが、我々市側の考えは、その下側の方に住んでいらっしゃる方々への二次災害が非常に怖いということです。
 そのことを踏まえて、今、所有されている被災された家屋に住めない方々へ、今後どのようにしますか、というお話をすると、先ほど申し上げましたけれど、高額な費用負担はできないというご家庭ばかりでしたので、国、道もそういった支援が現時点ではできないということから、市がこれはもう英断するしかないなと思ったところです。
 現時点で我々が決断したのは、土砂災害を二次災害として起こさないためには、擁壁を何とかしなければいけない。つまり、その擁壁とその土地に対し、悲惨な土砂災害にならないようにしましょうということで計算しました。
 ただしそれをやる上で、建物が障害になります。
 ですからその建物については、現時点では自分たちで何とかならないのかということを言っているところであります。
 建物を寄附していただき、それを解体という方向に持っていけるということもありますので、それが法的に適うのかどうなのかということも踏まえないといけませんから、いろいろな手法を検討していきます。大原則としては、個で、まずは何とかしてもらいたい、と思っています。
 ただここで考えなければいけないのは、今回発生個所とほとんど同じ環境の家が、美園町5丁目6丁目にある、ということです。
 現時点で住まわれて何も起きていないご家庭にも、もし今回のような状況になったら、自分たちの責任でちゃんと復旧復興できるのですか、ということを話す必要があります。
 もちろん災害の大きさによっては国や道がそれを担う場合もありますが、今回は該当しないということなので、個人の負担が非常に大きくなる、これを踏まえて、ご理解いただければと思っています。
 2点目は、給食センターについてですが、場所について2市で合意形成を持ってやることは決まりました。
 建設場所とそれにかかる経費の案分について、今協議をしております。建設場所については、登別市、室蘭市を含め、両市がともに候補地を挙げて検討している段階です。
 ただ場所はまだ決まってなくて、両市の教育委員会の方で協議している段階です。
 経費の関係も協議中でありますが、方針としては、建設として関わる費用と、建設が終わって運用を始めるランニングコスト、これは別の考え方で、経費案分について考えましょうということにしておりますので、イニシャルコストとランニングコストについて、別々の視点で協議しております。
 協議の目安としては大きく二つありまして、均等按分という考え方と、現時点では子供たちの数、いわゆる食数案分のどちらにするかです。基本的な考え方の合意と具体的な金額については、まだもう数ヶ月ぐらいかかるかと思いますので、今の進捗としてはそんな感じです。
 3点目ですが、外観だけで言いますと、躯体の両サイドが少し、面積的には変わっていないものの、形状としては、海岸から見た左側の形状は若干伸びています。
 伸びている理由は、子育て支援エリアの協議で、子供たちに何とかいいものにしてあげなきゃいけないということで、そこに時間をかけまして、かなり良いレイアウトになっています。

【総務部次長】:機能的な面で、何か新しくなった、という箇所は特にないです。
 ただ市長が説明したとおり、配置やレイアウトなど、細かいところについては基本設計から変わっています。

【市長】:そうですね、あと小さいところですけど、出入口の部分とかですね。
 緊急の出入口の部分だとか、運動に建物も利用したいという案があって、実施設計の段階で階段をつけて、階段を上りながら2階も回遊できるような、そういうルートを今検討中です。ただ単にグラウンドを回るだけではなく、用事があって2階に行く方もいるでしょうし、展望から景色を眺めたいという方、あるいは運動したいという方など、いろいろな用途のために少し変更しています。
 もう一つ大きく変わったのは、外構工事です。
 階段で旧労働福祉センターのあたりから上がっていくんですけれども、市民の皆さんにより良く使っていただきたいということで、基本設計からは結構変わっています。
 費用的には変わっていませんが、デザインとして、階段の下から上までの雰囲気と用途は変わっています。基本設計の段階では、子供たちの遊具などは旧労働福祉センター周辺に配置していたのですが、全部上の方、インクルーシブのエリアに持っていき、下の方はもう少し遊歩道を広くして、自然を多くする、というふうに基本設計から変わっています。
 かなりいいものができると思いますので、期待していただければと思っています。

【室蘭民報社】:売却する場合は一般競争入札という形になるか。

【市長】:そうです。

【北海道新聞社】:1点目、擁壁崩壊した土地の所有者は何世帯だったのか。
 2点目、当初は個人が負担するというふうに考えていたわけだが、当市の財源で修理するというような方向転換したのは最終的には市長の決断だったのか。
 3点目、市が使える補助がないという断定していたようだが、道の方に問い合わせたところ修復のために使えそうな補助があるのではという意見があり、補助が使えない理由はどういうことだったのかということと、もし補助を使わないのであれば総額5,000万の工事費用が、市の一般財源で支払われるという考えでよろしいか。

【土門総務部次長】:擁壁の土地の所有者については、その土地の境界が不明確な部分がございまして、明確に何世帯、何人という数字でお示しすることができない状態です。
 所有者の方を明確にするためには、測量などをきちんと入れてやらないといけないと思うのですけども、現状は擁壁が崩れて土地の形状が変わってしまっている状態ですので、今の段階ではそれもできないということになります。

【市長】崩壊してるのは擁壁だけで言うと2世帯分なのですよね。ですから我々が今公費でやる、先ほどお話しした建物の件は後ほど考えなきゃいけないんですが、とにかく擁壁を撤去するということで考えると、一番上の世帯の2世帯が、現時点では対象になっている、と考えています。

 ただ、その下の家はもう住めない状況で傾いていますし、その隣は擁壁がもうくっついてますから、本来、建物で言えばもう4世帯ぐらいにはなってるです。ただ、崩壊したという前提で考えている我々は原則、当該2世帯を対象にしたいなと思ってます。
 しかしまだ協議中ということで、最終的に崩壊したのが何世帯かというのは、ちょっと今の段階ではなかなか難しいということでご理解ください。
 2点目ですが、最終的に判断させていただいたのは市長である私でございます。
 ただ、現時点でも、工事全額を市役所の方の費用でやる、とは考えていません。

【総務部長】:基本的にはこれは民有地のため、それぞれで行ってもらうということは、あくまでもこれは基本原則に立っております。
 しかしながらお話したところでは、やはりなかなか進まない。ということが現状にあります。そうしたときに、これはこのまま放置してていいのかという不安は、やはり行政としてはございますので、そこでは最低限、何らかの対策を打っていかなければならないだろうということです。これは状況によっては、市道にも大きく影響します。
 上の建物が万が一落ちたときには、上の道路にも影響してくる可能性がございます。その上にも住宅がございます。そうしたもろもろのことを考えると、行政として何らかの手をやはり加えなければならない、という考えに今現状では至っているという状況です。しかし冒頭で申し上げたとおり、あくまでも民が行うべきという考え方は今現在も思ってます。
 市としても市道を守るためにも、また二次災害などを未然に防ぐために、市は何かをしなければならないということで、市の負担という部分に言及しているというようにご理解していただきたいと思います。
 また補助についても、補助制度自体はあるものの、今回の案件はなかなか該当しません。
 例えば行政代執行であるならば、その所有者に対して改善命令などを行っていかなければならない。しかし今現在、その擁壁の所有者というのが実際誰なのか、というところが判明していない。もちろん今も、手だてを模索している最中であります。

【総務部次長】:ちょっと補足させてください。北海道からは盛土の緊急対策事業ですとか宅地耐震化推進事業など、各種補助メニューをご紹介していただいております。
 ただ今、部長がお話しましたとおり、申請してから交付決定までの時間的な問題ですとか、補助金の要件などでなかなか合わない部分がございまして、簡単にちょっと使うことができない状況になっています。
 部長がお話したとおり、現在も活用できるメニューがないかどうかというのは検討を続けているところでございます。

【市長】:3点目の質問ですが、個人財産のために復旧するための補助メニューというものはありません。しかし公的に土砂災害を直すためのメニューというものはあります。そこの視点が混在しているので、ある、ないという話になっていると考えます。
 公的資金をかけてでも、全体を守らなきゃいけないんだ、という観点に立ちますと、実は補助が出るものがあります。ただしその条件をクリアするためには、個人の方が理解をして協力をしてくれないと駄目なんです。それが例えば、建物を自由に使って構わないであるとか、我々は引っ越すからそこにはもう住まないであるとか、いろいろな条件があって、そこを悩みながら交渉しているというところなので、そこだけはちょっとご理解いただければと思います。
 あくまで市は、全体を守るために公的資金に使います。結果的には一般会計に手を出すことは十分あります。そこはちょっと副市長にこれから頼りながら、どこの予算を使っていくかは、被災された方の協力してくれる度合いによって考えていきたいと思います。やはり一番考えなければいけないのは、被災された方にとって、我々がやるべき行為がどんなふうに影響を及ぼすか、と考えます。
 私が11日に避難所へ行ったときに被災者側が思っていたのは、公的でやる場合、その費用を弁償させられたり、もし例えば解体についてその費用をどうするかで、そこがもう使えなくなるのであれば、引越しのことを考えなければいけない。そうすると、引っ越しは賃借のアパートなどを借りるのか、改めて違うところの平地を買って家を建てるのか、そういう心配です。
 それと、現時点でもう住めなくなってるところには生活用品があって、その生活用品等もこれから使うのか使わないのか、ということもありますし、新しい生活の場で生活用品をまた購入しなければいけないなど、とにかくお金のかかることが一番の心配であると感じました。
 このことから、なるべく公的なことで済ませるということを前提にしてその被災者の方々の負担が少しでもなくなる、そしてその税金の使い方にきちんと多くの市民が理解をしてくれるというこの両面で、早いうちに検討して安心させたいという気持ちがありますので、できればそういったところをどんどん報道に流していただければありがたいなと思います。
 ただ、現状事態が進んでないということも確かです。もう少し被災者も含めた市民感情のことも含めながら事務を進めていきますので、見守っていただければと思います。

【北海道新聞社】:今のところ工事のやり方としては寄付を受けてやるという方向性で進んでいくのか。

【市長】:選択肢の一つにはありますが、それだけでいくとは考えていません。
 優先順位で言えば、基本的には所有者が工事費用を払っていただけることが第一です。それが駄目だった場合に、一つの手段として寄付行為を受けることで、我々が工事ができるかどうか、これは法的手段がありますので、本当にそれが公費だけでできるものなのかというのも、まだ調べる余地がありますので、選択肢の一つだと思ってください。
 寄付ということだけで動いてるわけではないことについて、ご理解いただきたいと思います。

【室蘭民報社】:美園の件で市の考えとしては擁壁の部分と、地盤の部分については市の公費を使える。ただ、それに伴って建物を解体しなきゃいけないので、その部分については所有者に負担してもらいたいというのが、市の考えというところの認識で合ってるのか。

【市長】:一義的にはその通りです。

【室蘭民報社】:その上で所有者とのやりとりで、協力してくれるかもしれないし、無理だとなるかもしれないしというところで止まってる、ということか。

【市長】:解体の部分に、被災された方は重きを置いています。
 その場所に今後、住めるのか住めないのかの選択も、その方々がまだ悩んでいるのですが、我々は、もうそこには進めませんよって言っているのです。
 ですから、いろいろな思惑が交錯して、その寄附の話もなかなか進展しないのです。

【総務部長】:今、市長がお話してるのは、可能であればやはりそこを宅地として、その人が利用したいという話があるのであれば、やはりその人が自分で、建物を壊すなりいろいろな土地の調査をしてもらいたい。ただ今、市が提案しているものについては、そこにはもう建物が立つことができない手法で説明しています。
 市が、先ほどより説明している工事をするためには、必ず除却しなければならない建物があります。
 この除却については、ある程度市としても負担していくというのはこれはやむを得ないものなのかなと考えています。市としてもある程度の覚悟は必要なのかなと。ただし、上に3軒あって下に2軒あるのですが、下の2軒、要は、擁壁の撤去するためには、下の建物まで壊す必要はないです。ですからそこの部分については、やはりご自分で対処していただきたいという考えであります。

【室蘭民報社】:上の部分についてはある程度市も出さなければいけないなという認識を持ってるということですね。

【総務部長】:はい、それをやらなければ工事ができないという、必要性に迫られての判断です。もし必要性が無い手法が見出された際は、その限りではありません。

【北海道新聞社】:新庁舎は、来年の春に着工して26年度に供用開始予定というさきのご説明でしたが、今いろいろなところで人手不足や資材の高騰で、予算変更が生じる場合もあると思うのですけど、竣工時期というのは、今の段階は変わってないという認識で合ってますか。

【市長】:新庁舎建設にあたり活用を予定している起債制度のメニューの中で、一番望んでる緊防債(緊急減債・防災授業債)制度があるのですが、この起債要件を満たすためには、令和7年度中に工事が完成しすることが条件になっています。
 このことから令和7年度中に竣工する前提で考えておりますが、JR北海道さんや他の事業者さんが施工されている工事で、工期延長となった情報も多く聞いておりますので、緊防債の起債要件の緩和を国に要望することを検討しています。

【北海道新聞社】:基本設計の金額についてお聞きします。総工費60億円ぐらいだったと記憶しているのですけど、現時点で変更というのはあるのですか。

【総務部次長】:昨今の社会情勢等も勘案すると、上振れの可能性は当然あるところですけれど、上振れをできるだけ抑える工夫をしているというところです。

【市長】:様々な工夫をしてるというところで、費用が1. 4倍ぐらいになりそうなところを、今、1. 1倍以下ぐらいで収めるように、各種調整をしているところです。

【北海道新聞社】:さきの記者会見で、JCHOが、登別温泉にある旧JCHO登別記念病院の解体についての方針を示した、という発言があったかと思うのですが、その後、進展はありましたか。

【市長】:JCHOに対し、事業者から売買の問い合わせがあったかと存じますが、何件入ったのかであるとか、具体的な話が進んでいるであるとか、そのような情報は聞いていません。

【北海道新聞社】:次の市長選まで1年を切ったところですが、現時点での次期選挙への出馬についてのお考えをお聞きしたいのと、今のところ明言できないということであれば、どのぐらいの頃に判断するのかお聞きしたいです。

【市長】:出馬については、後援会とともに決めることとなります。現時点では未確定ということでご理解いただければと思います。

【北海道新聞社】:今、進退にかかわらず、新庁舎建設ですとかさまざまな課題に直面されているかと思いますが、残り1年の任期中では、なかなかそれらの課題をクリアしていくというのはちょっと難しいというような認識ということで合ってますか。

【市長】:はい、そうですね。
 短期的に、今から1年以内でやるべき内容がいくつかありますので、それを今、副市長と話をししてます。

 

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