令和2年第1回定例記者会見

公開日 2020年01月06日

場所:第2委員会室

令和2年第1回定例記者会見

1.市長あいさつ

皆様、新年あけましておめでとうございます。本日は、お忙しい中ご出席をいただき、誠にありがとうございます。

旧年中は、市政に関する報道などご協力を賜り、心から御礼を申し上げます。

昨年は準備の『備』ということで、いろいろな備えに取り組んでまいりましたが、令和元年も過ぎ、令和2年を迎えました。

この2020年を、市制施行50周年と上手にあわせながら、国内における東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会、道内では、ウポポイと共に上手につなげていきたいと考えております。

さて、昨年のまちづくりを振り返りますと、『暮らしの安全を守り、安心を実感できるまちづくり』として、災害への備えを進めたところです。

平成31年3月には、災害が発生した場合においても、直後から適切に市が行う業務を継続するための『業務継続計画(BCP)』や、市民の皆さんなどの生命と安全を確保するための指定避難所の円滑な運営を図るための『避難所運営マニュアル』を策定しました。7月には、地域防災機能を兼ね備え、人工高台にもなりうる教育施設・鷲別小学校を主会場とした『総合防災訓練』を実施しました。

約1千5百人の参加者と共に災害に対する備えを学んだ総合防災訓練では、『避難所運営マニュアル』を活用した『避難所開設訓練』を地域住民の方に主体となって実施していただきました。実際に避難所を運営することで気付く配慮やルールなどを肌で感じていただくなど、災害への備えをしっかりと進めることができたものと感じております。

登別市のみならず北海道全体に大きな影響を与えた『平成30年北海道胆振東部地震』をはじめ、近年、全国で大規模な災害が発生していることもあり、市民の皆さんの防災に対する意識の高まりもますます感じているところではありますが、防災対策に終わりはありません。引き続き、防災・災害対策に取り組んでまいります。

次に、『ふるさとの資源を活用した、活力と賑わいあふれる魅力あるまちづくり』の一端として、地域に息づくアイヌ文化をさらに発信し、交流活動を活性化させるための取り組みを進めているほか、登別地区に開院するJCHO登別病院の周辺道路を整備し、地域医療の充実に向けた準備を進めるなど、登別観光の玄関口である登別地区をはじめとした環境整備などを進めたところです。

すでに、JR登別駅前への『(仮称)登別市情報発信拠点施設』整備に向けた取り組みや登別温泉とウポポイを結ぶ都市間バスの運行支援、市内飲食店におけるアイヌ文様デザインコースターの配布など、さまざまな事業を進めておりますが、アイヌ文化の口承文芸を後世に伝える重要な役割を果たした知里幸恵氏や知里真志保氏、金成マツ氏を輩出した登別市として、多くの市民と観光客の皆さんにアイヌ文化にふれていただけるよう取り組みを進めるとともに、そこからさらに国際理解の促進へとつなげ、ホスピタリティの向上に努めてまいります。

さて、令和2年の市政運営についてでございます。

先ほども申し上げましたが、本年は市制施行50周年を迎える記念すべき年であります。

昨年より、準備を本格化させ、多くの市民・団体・事業者などと共に、市制施行50周年を記念した事業の具体的な実施に向け、まさに現在も取り組みを進めているところであります。本年は、登別市の新たなロゴマークの発表をはじめ、市民と共に作り上げる記念式典、このまちの将来を担う高校生が主体となってまちづくりの想いを形づくるイベントのほか、これまで市民レベルでの交流も図ってきた『姉妹都市』宮城県白石市や神奈川県海老名市、同じ昭和45年に市制を施行した『四五都市』東京都福生市や滋賀県守山市などと連携した事業など、さまざまな取り組みを予定しております。

四五都市については、特に東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関係する事業があり、福生市が中心となって現在準備を進めているところであります。また、記念式典ということでは、同じ年に開催されますので、2市の記念式典にも出席を予定しています。人と人とのつながりを深めると共に、将来のまちづくりを担う人材を見いだし育てていきたい、新たなまちづくりの始まりとしていきたいと考えております。

参加方法など、詳細については、随時お知らせしていきますので、ぜひ、記者会の皆様にもご参加いただくとともに、引き続き、市民周知等のご協力を賜りますようお願い申し上げます。

今年の漢字についてであります。『緒』です。副市長や教育長を中心に多くの皆さんから、アドバイスをいただき、共通点としては『未来を感じさせる』、『未来につながっていくこと』、さらには『文字がもつ力強さ、優しさ』、なんと言っても字がもつ『一丸となる』という意味を重視し、『緒』を選ばせていただきました。訓読みでは『いとぐち』や『お』とも読みますが、糸を結び留めた先端を意味することから、私としては、『糸』とそれを盛り上げるための『者』いわゆる人が、先端から長く伸びる心境の変化であったり、物事を考え始めよう、思い始めようという新たな始まりや可能性を感じてもらえるよう願いを込めて『緒』としました。市民の皆さんはもちろん、近隣の市町の皆さんであったり、登別を訪れる観光客の皆さんなど、多くの『者』たちが市内でそれぞれの人生という『糸』を繋げ合いながら、一緒に未来を感じることができるような、心豊かな人たちが集うまちへとさらに発展させていきたいと思っています。

『緒に就く』という慣用句がありますが、これから進めていく物事の糸口を見つけ出し、さらに順調に動き出し、軌道に乗って見通しがつくようにと、先ほど職員にも伝えたところです。

結びになりますが、2020年は登別市にとって、さまざまなきっかけが重なる、またとない『一年』であります。

全国の地方都市同様、登別市を取り巻く環境は決して楽観できるものではありません。しかしながら、厳しい財政運営が続いている状況にある中、一つの光が差したというところでは、ふるさと納税が平成30年の寄付総額が2億8,300万余であったのに対し、先月12月だけで3億5,448万1,000円の納付がありました。つまり、一ヵ月で1年間分の納付額を上回ったことをご報告申し上げます。全国から多くのご厚情をいただいたことで、ますます登別市がさまざまな可能性を見つけることができるのではないかと思っています。改めてこの一年が、10年、20年後に改めて振り返ったとき、まちづくりが大きく進展した『年』であったと多くの市民が感じることができる『年』となるよう、記念事業などを通したまちづくりを進めてまいります。

市制施行50周年が、産業活動や市民活動に大きく寄与するものとなるよう、今後も地域の枠を超え、さまざまな分野で活性化するよう取り組んでまいります。

記者の皆様にもお世話になりますので、よろしくお願いします。

2.質疑応答

(朝日新聞社):今年は任期満了に伴う市長選が予定されているが、市長選への思いは。

 

(市長):おかげさまで、今年で3期12年を満了する予定となっております。これまで、11年と数カ月、多くの方からさまざまなことを教えていただきながら市政運営を担うことができました。残り約8ヵ月の期間を、市制施行50周年という大きな1年に傾注していきたいと考えております。任期は8月までとなりますので、中間のあたりとなりますが、私としても出来るだけ早い時期に自身の進退について、発表したいと考えております。今、この時点では市制施行50周年にかける思いを強くしているところであり、市民の皆さんと共にできるさまざまな動きを最優先に考え、市長として取り組んでまいりたいと考えています。その市民の皆さんとの動きの中で、多くの声やエールをいただいた中で、決められる時期が来ると思っていますので、それまでお待ちいただければと思います。現時点では、するともしないとも言えないというのが、実情でありますので、ご理解いただければと思います

 

(室蘭民報社):ふるさと納税について、一月で3億円以上の納付額があったということだが、主な返礼品は何か。

 

(市長): 現時点では年間で6億を超える金額で、かなりの額となりました。要因としては、ふるさと納税のポータルサイトを2つから3つに追加したこともあるかと思いますが、しっかりと分析はできていません。

 

(朝日新聞社):一番、人気を集めている返礼品は何か。

 

(総務部長):『うに』になります。その他、温泉宿泊券などもあります。

 

(北海道新聞社):今年は比較的明るい話題がいくつかあるが、一方で課題は。

 

(市長): ウポポイに関していうと、内閣官房や北海道のウポポイを担当している部署も懸念していることとしては、これまでは100万人が達成できるかという懸念だったが、もし、100万人を超えて、150万人程度が来場した場合、対応できるのかも懸念しなければならないと考えています。というのも、道の駅の集客を考えると、 安平町の道の駅が80万人程度来ていると聞いています。そういった意味では、楽観的に考えると最初の1年目としては100万人程度は、来場するのではないかとも考えてしまいます。その中で、しっかりと受入体制をとれるのか具体的な対応策を考えなければならないと考えています。その一つとして、交通面で渋滞を発生させない、事故を起こさない方法であったり、飲食の面で、現時点でウポポイの中で多くの飲食を提供できるかというと100万人までは対応が難しいのではないかと推測しており、一方で、これからインフォメーションセンターなどができるあたりや白老町の商店街などに新しく何ができるかというと初年度には間に合わないのではないかと思っています。そう考えると、現在、白老町商工会や白老観光協会がどのように飲食の受け皿を強化するかによっては、登別や苫小牧に良い意味で波及してくる可能性はあるかと思います。その波及効果をニーズと捉えて、商店街や登別商工会議所、登別国際観光コンベンション協会の皆さんに促していくか考えていきたいと思います。

 

(北海道新聞社):登別市単体での課題は。

 

(市長):東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のホストタウンとなっており、加えて、札幌市でマラソンと競歩が行われます。そこで、マラソンや競歩のための合宿誘致をすべきか、また、マラソンや競歩の選手が札幌に来ることになりますので、その前後にどのようにして登別市に来ていただくか、一つは大使館や総領事を通じて行うのかという点を課題として捉えています。

  市制施行50周年の課題としては、地域性の課題として、現在、いくつもの記念事業が多くの市民の皆さんと共に企画されていますが、その一つ一つの事業が市内のどの地域で、どのように50周年を感じていただけるかの見える化がまだこれからになりますので、この1・2ヵ月の間に予測をして、足りていない地域にはどのように周知を図っていくか、50周年を感じていただくかを課題として捉えています。

 

(朝日新聞社):好調なふるさと納税をどのように活用していくつもりか。

 

(市長):いくつかの中から、目的を指定して納付していただいておりますが、中には目的を指定せずに納付される方もいらっしゃいますので、その分については一番の懸念である市役所新庁舎の財源として積み立てていくこととしています。初年度は2千万しか積み立てすることができませんでしたが、ふるさと納税によって、より多くの財源を積み立てていくことができればと考えています。そのほか、指定していただいた目的によっては、教育施設や駅周辺の活性化に活用できれば、入湯税とは別の視点で何かあれば、観光振興に充てさせていただくこともあるかもしれません。また、防災にも活用できるかについても研究していかなければならないと考えています。

 

(朝日新聞社):さらに増やしていこうというアイディアは。

 

(市長):魅力的な返礼品という点で考えれば、本来であれば登別ブランド推奨品がさらに愛され、選ばれることになることが望ましいところではありますが、現状では海産物が一番人気を集めている状況です。うにやたらこ、カニといったところも引き続き強化していきたいと考えています。

境港市でふるさと納税が好調だったときは、海産物の雑魚をまとめて送ったものが人気を集めたという話も聞いています。登別ブランド推奨品を扱うことも一つですが、前浜で採れるものは時期によっても異なりますので、そこにも活路があるかもしれません。関係団体の協力があってこそだとは思いますが。

 

(読売新聞):ふるさと納税された総額のうち、返礼品等の経費を除いた額はどの程度となるのか。

 

(市長):およそになりますが、3割が返礼品となり、2割弱が経費としてかかりますので、5割程度が財源として残ることになります。

 

(朝日新聞社):1年間で6億ということか。

 

(総務部長):4月から12月までの9ヵ月間で6億を超えたということになります。

 

(市長):ちなみに、平成30年度が約2億8,300万、平成29年度が1億2,900万となります。登別を知っていただいている強みもあるかもしれませんし、もしかすると納税していただいた方は、一度、登別に泊まりに来ていただいたことがある方なのかもしれません。登別市のアドバンテージとも言えるかもしれません。

 

(読売新聞):返礼品として『うに』が好評ということだが、海産物は年によって収穫量に不安定であるため、返礼品の裾野を広めていくことも必要と感じるが、返礼品の拡充は考えているのか。

 

(市長):毎年、返礼品の裾野を広げるという意味では、少しずつではありますが、毎年努力しています。問題としては、納税の件数が多くなることによって、職員の業務が非常に多くなっていることがあります。それは、納税額を増加するために納税したいただいた方に対して、お礼の手紙やダイレクトメールなど、リピーターを増やすための取り組みも行っていることも一つの要因です。そこで、アウトソーシングも視野に入れて、返礼品の改善やリピーターの確保について、改めて考えていきたいと考えています。

 

(室蘭民報社):昨年、幌別東小学校区と幌別小学校区の住民との意見交換会を実施したかと思うが、学校の適正配置について、現状どのように考えているか。

 

(教育長):平成26年に登別市学校適正配置基本方針を策定し、5年が経過したことから、さらに確かなものにしていこうと、2つの校区で意見交換会を開催したところです。今年度は、登別地区で開催し、地区的な学校のあり方を整理させていただきたいと考えています。登別地区はどう考えているのかというところをしっかり整理し、その次に、幌別地区に立ち戻り、考えられる方向性を示すところまでいくことができればと考えています。そのためには、同意をもって進めていくことが重要ですので、積み重ねながら進めていきたいと思います。

 

(室蘭民報社):令和2年度中に幌別中学校区について、何らかの考えを示されるということか。

 

(教育長):市教育委員会としての案をまとめ、まちづくりとも関係しますので、市長部局と連携して取り組んでいくことになります。

 

 

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