第4章 調和の中でふるさとを演出するまち

  第1節 機能的な交通・情報ネットワークで活力とふれあいを運ぶ


 [基本的な考え方]

 (交通ネットワーク)

  高速道路網の整備や国道36号バイパスの完成、オロフレ峠の通年交通、新登別大橋の完成など交通条件の飛躍的な向上に加え室蘭港、苫小牧港、千歳空港、札幌を中心とする道央圏への交通利便性を有する当市は、交流の時代にふさわしい流通拠点としての可能性を秘めた都市であると言えます。

  この可能性をさらに伸ばし、新たな産業機能の集積や都市機能の充実を図るため、広域幹線道路網や市内幹線道路網の整備を促進し道路輸送体制の強化を図ります。

  また、高速・大量輸送時代に即応した総合的な交通輸送体系を確立するため、様々な交通機関の有機的な連携による機能的な交通ネットワークの形成に努めます。



 (情報化)

  情報処理技術及び通信技術の発達と経済のサービス化、ソフト化に伴い、情報に対する需要が著しく増大するとともに、情報の持つ価値が飛躍的に高まっています。このような情報化の進展は、我が国の経済社会の様々な局面において大きな環境変化を起こしつつあり、地域においても、情報の効果的な選択、活用、提供など情報化のもたらす利点を積極的にまちづくりに活かしていくことが求められています。

  地域情報化をすすめるにあたっては、地域の特性や情報通信基盤の整備状況あるいは活用状況を踏まえ、将来にわたる情報化へのビジョンを定めるとともに市民ニーズに即した情報化を計画的に推進します。



 [施策の基本方向]

 1.広域幹線道路網の整備

  都市間交通の円滑化と高速交通ネットワークの強化を図るため機能性や安全性、快適性に配慮した国道、道道等広域幹線道路網の整備を促進します。

  また、多様化し、増大する観光レクリエーション需要に対応するため、広域観光ネットワークの形成を視野に入れた道路整備と国際観光レクリエーション都市にふさわしい道路環境の整備に努めます。


 2.市内幹線道路網の整備及び市道の整備

  市内における各地区の連携を強化し、地域産業の発展と都市機能の強化充実を図るため、都市計画道路や市内幹線道路網の整備を促進します。

  また、市道については、土地利用計画に基づき計画的、重点的な整備に努めるほか、歩道や自転車歩行者道の整備あるいは植樹帯の設置など市民に親しまれる道路づくりをすすめます。

  道路の整備にあたっては、安全性と利便性の確保に努めるとともに歩道の段差解消や点字ブロックの設置等お年寄りや障害者にやさしい施設づくりに努めます。


 3.交通輸送体系の整備

  高速交通・大量輸送時代に即応した安全で効率的な輸送体系を確立するためには、鉄道や船舶、航空機、バス、自動車など様々な交通機関の有機的な連携による機動性の確保が必要です。

  空港、港湾、駅へのアクセス機能を高めるほか、鉄道、バスを中心とした公共交通機関の充実を図るなど交通輸送体制の整備をすすめるとともに駅前広場の機能充実を図ります。


 4.情報、通信体制の整備

  高度情報化社会に対応した情報基盤の整備を促進するとともに地域における情報化推進のための指針作成に取り組みます。また、地域情報化の推進にあたって欠かすことのできない行政における情報サービスの充実に努めます。



 [主要施策]

 1.広域幹線道路網の整備

 ◆国道36号の整備

 ・ 国道36号の4車線化をすすめます。

  
 ◆道道の整備促進

 ・ 道道倶多楽湖公園線の整備をすすめます。
  (登別温泉市街地バイパス、地獄谷駐車場から展望台間及び登別温泉市街地バイパス起点から 紅葉谷橋附近交差点間)

 ・ 道道洞爺湖登別線の整備をすすめます。
  (道道倶多楽湖公園線交差点から紅葉谷橋附近交差点間及びカルルス地区)

 ・ 道道上登別室蘭線の整備をすすめます。
  (富士通、柏木通及び中央通)

 ・ 道道弁景幌別線の整備をすすめます。
  (商店街近代化と連動した中央地区及び片倉地区)

 ・ 道道幌別停車場線の整備をすすめます。
  (JR幌別駅西口駅前広場を含め商店街近代化との連動及び旧国道36号の整備検討)

 ・ 道道登別港線の整備をすすめます。
 
 ・ 道道登別室蘭インター線の整備をすすめます。


 2.市内幹線道路網の整備及び市道の整備

 ◆都市計画道路(市道)の整備促進

 ・ 国道、道道等広域幹線道路を補完する近隣住区内の幹線道路整備として、円山通、環状通、新学田通、東通、鷲別南通、(仮称)汐平通、中央通の計画的な整備促進を図ります。

 ・ 市街地の進展に対応でき得る道路網を確立するため都市計画道路網の変更を検討します。

 ・ 幹線道路における安全性と機能性を確保するためJR線路との立体交差を検討します。


 ◆市道の整備

 ・ 富岸西路線の整備を促進するとともに、富岸東路線の整備に着手します。

 ・ 川上路線の整備を促進するとともに、中央通り(北海道ソーダー裏通り踏切改良を含む)、富士町地区(仮称)中環状通りなどの整備を進めます。

 ・ 登別富浦路線、石山通り、東町34号線などの整備を促進します。

 ・ 登別温泉中央通り、温泉3号線、カルルス路線、カルルス東雲路線などの整備を促進します。

 ・ 鉱山札内路線の整備を図るほか、札内横断道路の整備を検討します。


 ◆自転車道の整備

 ・ 公共施設や日常利便施設、レクリエーション施設などを有機的に結ぶ自転車道のネットワーク化について検討します。

 ・ 国道、道道及び幹線市道に併設した自転車道や河川の築堤などを利用した自転車道の整備について検討します。


 3.交通輸送体系の整備

 ◆公共交通輸送力の増強

 ・ 都市間輸送機関として根幹的な役割を果たしている鉄道輸送の充実強化を図るため、全線複線化と電化の促進を図ります。

 ・ 都市間高速バス輸送の充実を図ります。

 ・ 市内循環バス路線の整備を図ります。

 ・ バスターミナルの設置に向けた環境づくりをすすめます。

 ・ 鉄道、バス、タクシーそれぞれが担うべき役割を踏まえ、相互に連携のとれた交通網の形成に努めます。


 ◆広域交通拠点へのアクセス強化

 ・ 国道や道道、高速道路の連携による高速交通ネットワークの形成を促進するとともに、鉄道、バスの相互連携を促進し空港などの広域交通拠点へのアクセス機能を強化します。


 ◆新交通システムの検討

 ・ 円滑な都市交通機能と高速・大量輸送時代に対応した交通体制を確立するためリニアモーターカーなどの新しい交通システムの導入について調査研究します。


 4.情報、通信体制の整備
 
 ◆地域情報化の推進

 ・ 計画的な地域情報化を推進するため地域情報化の指針を策定します。

 ・ 高度情報化社会に対応した高速大容量通信網等の情報基盤の整備を図ります。

 ・ 西胆振広域圏等近隣市町村と連携して地域情報化の推進について調査研究します。


 ◆行政情報サービスの充実

 ・ 各種行政情報のデータベース化をすすめるとともに端末機等により情報を活用するシステムづくりに努めます。

 ・ 行政事務の効率化と市民サービスの向上を図るため庁内のOA化を推進するとともに、コンピュータを
  活用した公共施設の案内や予約システムの導入に努めます。

 ・ 行政情報をより効果的に提供するためテレフォンガイドシステムを導入します。

 ・ 市の機関が保有するすべての個人情報を対象として、自己情報の開示請求、訂正請求、削除請求、個人情報の収集制限、利用制限等を具体的な内容としたプライバシー保護制度の確立をすすめます。


 ◆産業情報システムの整備と新地域メディアの充実

 ・ あらゆる産業分野の情報化を推進するため、関係機関との連携を図りながら情報ネットワークの構築に努めます。

 ・ 地域独自の情報発信を行うためコミュニティFM放送局の開局を検討します。