平成29年第5回定例記者会見

公開日 2017年11月22日

場所:第2委員会室

IMG_7339

1.市長あいさつ

 本日はお忙しい中、平成29年第5回定例記者会見にお越しいただき、ありがとうございます。この場をお借りして日ごろからまちの情報を報道していただいておりますこと、心から感謝申し上げます。

 まず、防災意識の向上の関係ですが、先般9月から10月にかけて、温帯低気圧(台風18号)や台風21号などの影響によりまして、北海道内では何日にもわたって大雨となりました。

 当市におきましても、土砂災害警戒情報が発表され、胆振幌別川の水位が上昇しました。そこで、『避難準備・高齢者等避難開始』を発令させていただきましたが、人的被害には至らなかったことを報告させていただきます。

 安全に安心して暮らせるまちづくりを進める当市としましては、治山や河川改修、雨水・排水対策により、一定の成果が出ているものと考えております。

 今後も、計画的にさまざまな地域で整備をしっかりと行うことで、安全・安心なまちづくりを推進してまいります。

 また、9月30日に実施させていただきました4年ぶりとなる総合防災訓練には、およそ500人の市民や関係団体等のご協力をいただきまして無事終えることができました。防災訓練の中では、いろいろな想定をしながら、どのように情報共有を図り、安全に避難していくかというところが重要かと思いますが、Jアラートを用いた情報伝達訓練がまだまだされていない中で、実際に弾道ミサイルの件もありましたので、その件については、しっかりと反省を踏まえて、現在は手動でも対応ができるようなシステムで運用しております。今後においては、多少時間がかかっても、認識してもらえるような、いわゆる情報の多重化を重視していきたいと考えています。

 続きまして、日本遺産の件ですが、10月11日には、北海道胆振総合振興局と当市を含む西胆振3市4町におきまして、『西胆振日本遺産推進会議』の設置をさせていただきました。

 ご存じのとおり、文化庁が全国各地の文化財にまつわる歴史や文化が語る卓越したストーリーの価値を認め、認定するものでございます。なんとか、地方創生・地域活性化にもつながるように進めていきたいと考えておりますが、特に2020年には国立アイヌ民族博物館を中心とした民族共生象徴空間が開設される予定であります。

 白老町を含め、西胆振としましては、ピリカノカと呼ばれる美しい景勝地が数多く点在しており、また、アイヌ語地名が多く受け継がれている我々のこの地域にはいろいろなストーリーがあるものと思っておりますので、この会議体は、来年1月末の認定申請に向けて、目標をもって取り組んでいることをご報告させていただきます。

 本当に大きなチャンスでありますので、このことを、観光振興であったり、消費拡大等につなげることができればと思っています。

 続きまして、現在、地区懇談会を開催しておりますが、昨日で10地区中、8地区を終わらせていただきました。

 その中で、市民の皆さんから幅広く声をお聞きすることができましたが、特に今回のテーマであります「公共施設の整備に向けた優先順位の検討」についてご報告申し上げ、その上で「市役所本庁舎建て替え検討の基本的な考え方」についての情報提供、市民からの参考意見を伺っているところでございます。

 これまで、学校施設や教育施設に力を注いで参りましたが、平成32年度をもって、一定の目途がつく予定でおります。それを見据えて、今後は市民生活や経済の活性化にどのようにつなげていくかを考え、230の施設の中から今後取り組む10の施設を選定させていただき、その中からさらに3の施設に優先順位を具体的に示させていただきました。

 現時点でいただいている意見としましては、新築についてはいろいろ考え方がありますが、現在の建物ではない何かしらの変化ということでの建て替えとして認識していただければと思いますが、その市役所本庁舎建て替えについては、ほぼ100%に近い方から必要とのご意見をいただきました。同時に、「どういったエリアが良いか」、「もし建てるのであれば、どういった機能やどういった庁舎が良いのか」について、話し合いをしました。

 エリアについては、幌別エリアが昨年度の地区懇談会の中で市の中心エリアとして認めていただいておりますが、市の中心エリアであることや本庁舎の建て替えのエリアとして概ね良好ではないかということで、ほとんどのワークグループから幌別地区エリアが良いとのご意見をいただきました。

 そして、エリアとしては、市民からは高台を希望する、いわゆる災害からどのように守るのかといった条件次第では、例えば若山エリアや富岸エリアという意見も少数ではありますがありましたので、いただいた新庁舎に対する意見をしっかりと受け止めたいと思います。

 どのような庁舎が良いかという点については、例えば、市民の憩いの場となるような庁舎ではどうか、今の庁舎のように迷うことのないようシンプルにわかりやすくしたらどうか、観光振興を売りにするまちとして庁舎そのものが観光名所になるようなシンボルチックな庁舎にしたらどうかなど、さまざまな意見をいただきました。

 今日の美園・若草地区、そして明後日の青葉地区の意見を聞いた上で、これらの意見をきちんと分類化して、早急に意見をまとめ上げたいと思います。

 まとめ上げたものについては、市民の皆さんにできるだけ早く情報として還元していく予定ですが、一つの目標は来年2月に連合町内会の会長研修会がありますので、間に合うように早めにまとめていきたいと考えています。新年交礼会などでも多くの市民の皆さんや各団体ともお会いできますので、職員のマンパワーもありますが、私としては12月いっぱいでまとめ上げて、可能であれば年末に関係団体との座談会や意見交換の中で、情報の一部を提供できるように努力していきたいと考えています。

 また、地区懇談会の中で、貴重な意見もいただきました。特に登別温泉地区では、代表して5つの質問があり、その一つとしてJCHO登別病院についていただきましたが、現在のところ、平成32年4月の開院にむけて、事務を進めているところとJCHOから聞いております。

 それに先駆けまして、我々のインフラ整備としましては、新病院の着工がスムーズに行えるよう市道の道路整備を進めているところです。

 登別市内の地域医療の確保という点では、先般、戸田白老町長から発表がありましたが町立病院の無床診療所という方向性を打ち出したことから、白老町民の皆さんからも登別の新しくできるJCHO登別病院への期待がますます高まるのではないかと考えております。ですので、いわゆる交通ネットワークを利用した誘導の部分であったり、登別駅からみるとかなり離れているセブンイレブンやホーマックニコット付近が逆に中心地として役割を果たす可能性があることから、面的に登別地区のまちづくりについて、JCHO登別病院が開院してからではなく、今から予測して地域活性につながる検討を進めたいと考えています。これが進めば、登別地区全体がJCHO登別病院の開院とともに発展の一つのきっかけができると思います。

 一方で、質問の中には、現JCHO登別病院の敷地について、将来跡地になりますが、どうするのかという質問と、隣にある旧国立登別病院跡地の一段高い敷地についてもあわせて質問がありました。我々としてはまずは旧国立登別病院跡地の確保に向けて、これまでも国と交渉してまいりましたが、まず優先順位として旧国立登別病院跡地についてしっかりと市として何かしらの結果を出したいと考えています。そして、JCHO本部から現JCHO登別病院の敷地については、一般入札方式でどなたでも一円でも高いところに売却すると聞いておりますので、何かしらの形で要望書みたいなものを出せればと考えています。ただ、どのような要望にするのかは定まっていません。もう少し時間をかけて地域の声としてお困りごとや期待することを聞いてまいりますので、まだ時間がかかると思っています。

 まだまだお伝えしたいことがありますが、今回は議案説明と言うことで平成29年第4回登別市議会定例会の議案等になります。平成29年度一般会計の補正予算に係わる案件であったり、条例の一部改正などがメインとなっています。報告2件、議案9件を予定しています。

 詳しい内容につきましては、このあと担当の方から説明できると思いますので、もしできれば違った案件でご質問いただければと思います。

 あらためてもう少しで師走になりますが、平成29年度にはしっかりと市民の声をまとめ上げ、やっと形にできるものがまた一つひとつ増えてくるかなと期待しています。これからも取り組みを進めてまいりますのでこれからも、ご協力をお願いします。

2.質疑応答

(室蘭民報):公共施設の整備の件で、JR登別駅について2点伺いたい。優先順位は2位に位置づけられているが、現段階でJR北海道との協議がどこまで進んでいるか聞きたい。あわせて、整備となれば市の負担も相当額必要となることから、財源の確保の一つとして、入湯税を活用した方法も考えられるが、そういったところも含めて、旅館組合とどのような話があるか。

(市長):昨日の地区懇談会の中で、JR登別駅の優先順位が2位となったことについて、優先順位1位が終わらないと2位は手が付けられないのかという質問をいただきましたが、少なくとも優先順位1~3位は同時進行で進めて行かなければいけない重要案件と考えています。ただ、第3位である消防本署については、現在消防支署を建設する予定でもありますので、まずはしっかりと東地区の中登別町に建てる予定である支署を最優先して、きちんと土地の売買であったり、建設の内容であったり、工事のスケジュールなどが明確になったところで本署という次のステップに移りたいと考えています。

 一方で、2位のJR登別駅ですが、本庁舎もようやく話題になったところですが、同時に2位のJR登別駅については、登別地区の町内会であったり、登別国際観光コンベンション協会、旅館組合、商工会議所などともいろいろな会議や打ち合わせをしていますので、1位と同じくらい重点を置いて進めていきたいと考えています。

 現状としましては、大きく分けて、JR登別駅構内のバリアフリーと駅前広場における地域の皆さんが期待している諸機能の整備がありますが、一つ目の駅構内のバリアフリーについては、市が責任をもってJR北海道さんと何らかの形でバリアフリーの実現を図りたいと考えています。現段階で、駅部長さんと数回にわたって協議を行い、仮説ではありますが、工務部の方にこういった施設を建てたらどうなるのか、耐震的にはどうなのか、今の既存のものだとどこまで可能なのかというような研究を行っています。これからは、それらをもとに具体的な交渉に入ると思います。その中には、財政負担についても、そろそろ話題になるのかなと思っていますので、その辺をJR北海道さんと詰めていきたいと思います。

 周辺施設については、道道も一部含まれていますで、北海道とも協議も始めていかなければいけないと思いますし、会議体で、まちづくり委員会がありますが、その中で考えられる要素を現実化させていくかは、商工会議所にイニシアチブをとってもらっていますので、我々も入って、商工会議所が中心となって、民間のノウハウや何かしらの活用ができないかを優先的に話し合っていきたいと思います。

 その上で、財源の一部として、入湯税についてどうかということですが、3年前に入湯税懇談会の中で、新たな開発や新たな事業を行うときの資金として、少し入湯税の値上げができないか打診してみましたが、当時は大多数が反対でありました。

 今後、入湯税をどのように分配し、どういった目的で、観光振興に生かすかによっては入湯税を上げる可能性もゼロではないとは思いますが、今の壁はどちらかというと、北海道が制定するであろう宿泊税であり、宿泊税ができれば、入湯税をあげるという判断はないと思っていますので、宿泊税に関する議論を注視していきたいと考えています。

 なお、税に関しては、今のところ観光関係の方々には今の段階ではお話ししていません。

 今後の入湯税懇談会で話題になるかもしれませんが、その前に宿泊税の話になると思います。正式に要望書も来ましたので、どちらかというと一部反対や条件付きでしたが、それを踏まえて北海道がどうするか、今の段階では私たちに情報は一切来ていませんので、気にかけていきたいと思っています。しかし、待ち構えているだけではいけませんので、先週東京に行っていた中で、全国市長会の温泉所在都市協議会の中では、全国市長会としての意見も出そうという話にもなっていますし、もう一つ、民泊については年間営業日数を45日から60日に短くできないかという意見を全国市長会に所属している熱海や別府などの大きな首長さんとも話しています。その会議の中では、民泊法についてはこれからしっかり研究して情報共有しましょうと話して帰ってきたところですので、今後は他の大きな温泉地の状況についても知ることができると思います。

(北海道新聞):宿泊税を導入した場合に入湯税を上げないと考えている理由を伺いたい。また、民泊については、登別市より白老町に多いと思われるが、そういった意味では、広域的な対応が必要なのではとも考えられる。今後、どのように進めて行くのか現段階で対策として想定されているものがあれば教えていただきたい。

(市長):1点目の宿泊税と入湯税についてですが、共通しているのは、お客さまが負担しなければいけないということです。どちらも税として払わなければならなくなったときに、事業者はお客さまから、より多くの金銭を払っていただくことになります。その場合、宿泊税を負担しなければならないということになれば、入湯税についてはあげたくないという心理が発生してくると思います。実際に宿泊税については、ざっくりとしか聞いていませんが、やはり大変だと聞いています。以前に地方消費税が3%にあがったときには、消費税の3%とあわせて6%を負担することになりました。その繰り返しにならないように考えてもらえればと思いますが、あくまで北海道が決定することなので注視していきたいと思います。

 次に民泊法についてですが、広域で対応しなければならないという点については大賛成です。ある時期にお客さんが集中してしまうことがあります。その中で、今一番注視しているのはマンションやアパートです。それぞれの自治体にどれだけのマンションやアパートの空き室があるか、きちんと調べなければいけないと思っています。

 その中で、白老町のマンションについて、きちんと調べていませんが、少ないと思います。白老町では、温泉がついた一軒家などが民泊のターゲットかと思います。一方、室蘭市や登別市については、マンションの一室、もしかしたらマンション全体を民泊に使われる可能性があるのではないかと思っています。そこで我々が一番懸念しなければならないことは、大家さんがいたり、経営者が一緒に住んでいるのであれば我々も交渉できますが、例えば東京に本社があってチェーン店のように民泊を行うマンションなどがあってもクレームを直接言うことができません。特にゴミ捨ての問題などが発生し、地域住民とのいざこざが必ず発生すると思っています。そういった懸念材料については、広域での対策が必要となってくるかと思います。

(室蘭民報):先ほどのお話の中で、来年2月の連合町内会の会長研修会に間に合うように12月いっぱいまでに地区懇談会での意見等を取りまとめて情報提供したいということだったが、どういった内容を提供する予定なのか

(市長):アンケート調査のように考えてもらえればと思いますが、10地区からいただいたアンケートをどのように集計し、できるだけ早急にまとめ、可能であれば12月のクリスマス前にまとまれば、例えば忘年会などでいろいろな団体さんとお話する機会に口頭になりますが発表できるかなと思っています。

 ただ、会長研修会で5分でも10分でも報告をしたいと思っているのは、地区懇談会が町内会のお力添えをいただいて開催していますので、町内会の皆さんに対して正式に発表する場をつくりたいと思っているからです。

 広報紙などでも提供は行いますが、意見を直接もらうためにはそういった場で、お礼とあわせて具体的にこういった結果が出たことを報告し、結果にあわせて市政執行方針を作成する必要がありますが、平成30年度以降はこうしていきたいと伝え、説明責任を果たしたいと考えています。そういった意味でも、ターゲットの一つとして、会長研修会は外せないと思っています。

 忘年会や新年会などでも、とりまとめ次第、関係団体に伝えていきます。地区懇談会は終了しますが、11月24日以降も商工会議所青年部などいろいろな団体にも、同様に参考意見を聞いていきます。ほかには、文化協会さんとか社会福祉協議会さんなど、私が直接行かなくても担当部長が聞いて行きたいと考えています。

(室蘭民報):今後のスケジュールもあわせて発表される予定か。

(市長):その時点でどこまでまとめることができるかどうかわかりませんが、私の思いとしては、やはり市政執行方針で何らかの決定事項を発表しないといけないと考えています。それは、エリアだったり、具体的な場所だったりするかもしれませんが設定として発表しなければ間に合わないのではないかと思っていますので、言えることは随時発表していきたいと思っています。しかし、言ったもののその後の検討の中で覆すこともあるかもしれません。それは、見込んでいた国からの補助金が出なくなったりですとか、違う補助メニューで受けることができることが判明し、変更することなどもあると思いますので、それを繰り返していきたいと思います。

(室蘭民報):市政執行方針の中で、地区懇談会の意見を踏まえたある程度の決定事項は発表するものと認識してよろしいか。

(市長):そうです。JR登別駅の件についても、JR北海道さんとの協議次第によっては、正式に発表するかもしれません。そういった目標で行ってはいますが、相手ありきですので交渉が長引くかもしれませんが、できれば市政執行方針のなかで負担する経費についても明示できれば理想です。

 それが市民に対して市のできることだと思います。駅前広場については、官民一体でやるものと考えていますので、今の段階では市が責任をもって何かをするという話し合いはしていません。

(室蘭民報):JCHO登別病院の移転とあわせて、旧登別国立病院の跡地については、現状の打ち合わせはどのようになっているのか。

(市長):北海道財務局と協議しておりますが、実は来年の5月という期限があります。私の責任において、市政執行方針に間に合わせて、こうするですとか、具体的な金額で買いますとかを発表できることを理想にして交渉しているところです。ただ、購入には資金が必要ですので、どのように購入することができるのかといったことを庁内で検討しています。一方で、北海道財務局からもこういう条件ならいいですと言ってもらえるような提案をいただけると思います。

 しかし、購入したあとに何に使うかによって、かける経費が決まると思いますが、現時点で考えていることは、駐車場は間違いなく必要だと考えています。それは、登別国際観光コンベンション協会や従業員が利用する駐車場としてはもちろん、観光客、特にインバウンドのレンタカー利用の増加が著しいところですので、一箇所に駐車場を寄せて、私の理想論ですが、そこから各ホテルへ一台のバスで周遊することができれば旧国立登別病院跡地を駐車場としたときの利用価値があると思います。ですが、その交渉も、旅館組合や登別国際観光コンベンション協会とはまだ打ち合わせしていません。それは、国との交渉が途中のためです。

(室蘭民報):市としては、旧国立登別病院跡地は買う意向ということでよろしいか。

(市長):これまでも、旧国立登別病院跡地は買うべきと要望が、10年以上前に登別国際観光コンベンション協会や地域から来ていますので、市の責任のもとでそれは避けられないと思っています。

 仮に民間に買われ例えばライバル会社のホテルが建築されたり、また、中国資本などが購入した場合には、水資源や温泉資源が懸念材料として出てきてしまうため、旧国立登別病院跡地は、なんとしてでも市が購入しなければならないのではと思っています。JCHO登別病院跡地については、その限りではありません。

問い合わせ

総務部 企画調整グループ
TEL:0143-85-1122
FAX:0143-85-1108
ページの先頭へ(登別市PRキャラクター:登夢くん)