登別・白老(虎杖浜)地域マリンビジョン計画・通信

公開日 2015年01月23日

登別・白老(虎杖浜)地域マリンビジョン計画

計画策定の経緯(平成26年度改訂)

 水産業をとりまく環境は、資源の減少や魚価の低迷等で一段と厳しさを増し、新たに食への安全・安心に関する国民的な要請の高まりへの対応が求められています。

 また、漁協の合併といった地域水産業をめぐる枠組みも大きく変化しており、広域的な視点に立った個性を生かした地域づくり、自主・自立の地域運営システムなど、積極的な取り組みが地域に求められています。

 これらのことから北海道開発局では、北海道の水産業・漁港漁村の目指すべき姿を示す「北海道マリンビジョン21」構想を平成16年に策定しており、この構想を受け登別・白老地域では、平成18年に水産物安定供給体制の確立と水産業の健全な発展、また、活力ある水産業や地域振興を柱とした、登別漁港周辺の将来構想である「登別・白老(虎杖浜)地域マリンビジョン計画」を策定し、これまで具現化に向けて取り組んできました。

 これらの構想・計画の策定から概ね10年が経過しましたが、この間、北海道の水産業を取り巻く環境は大きく変化し、また東日本大震災による甚大な被害を経験するなど、情勢の変化への対応が求められるようになり、これらの課題や視点を反映するとともに約10年間の取り組みから学んだ経験を踏まえて、平成25年6月には北海道開発局が「北海道マリンビジョン21」構想を改訂し、「登別・白老(虎杖浜)地域マリンビジョン計画」も平成27年3月に改訂しました。

 今後は改訂された「登別・白老(虎杖浜)地域マリンビジョン計画」の具現化に向け、関係者一丸となって取り組んでいきます。

計画の概要ー1 コンセプト

「環境(安全・安心、資源・衛生)」を基盤とした「観光(自然・景観・温泉)」との熱い連携、そして深い「感動(食・交流)」を

 定評ある登別・虎杖浜ブランドの水産物を核に、徹底した品質・衛生管理の強化を図り、産地基盤を強固にします。

 また、強化した極上品質の水産物を武器に、地産地消を推進し地場の水産応援団の拡大を図るとともに、様々な関係者が連携を強化し水産物の安定供給体制の確立、また、食と交流の感動を同時に創出することで観光産業との相乗効果の発現を目指します。

計画の概要ー2 目指す姿

 地域における課題を整理・分析し、課題の解決に必要な目指す姿を以下のように大きく3点設定し、さらに重点的に実施するテーマを設定しました。

地域の課題と目指す姿
地域の課題 目指す姿

地域振興に関わる課題

1 観光と水産業の有機的な連携・協慟による「まちづくり」

1 観光連携の鍵となる生産流通機能の高度化とPR推進によるブランド力の強化

【重点テーマ】

1-1 地域一体での衛生管理とPRによるブランド力強化

1-2 外来船対応機能の強化による経済効果の獲得

水産業に関わる課題

2 経営安定・担い手確保を目指した魅力ある水産業の形成

3 地域の漁港・市場・加工における衛生管理の一貫性とPRの強化

2 地産地消推進による地場の水産応援団の拡大、観光との相乗効果の発現

【重点テーマ】

2-1 直販等による域内消費・水産応援団の拡大

2-2 観光への安定供給確立による相乗効果の発現

漁港利用・整備に関わる課題

4 漁港施設の機能向上による新規展開の実施基盤の確保

5 天候に左右されない漁港における安定供給体制の確立

6 新たなニーズへの対応

3 「まちづくり」の一環としての漁港づくり

【重点テーマ】

3-1 漁業体験等による総合学習の推進

3-2 プレジャーボートとの共存

3-3 「まちづくり」との連携

3-4 防災・減災拠点としての漁港施設の活用

目指す姿ー1 観光連携の鍵となる生産流通機能の高度化とPR推進によるブランド力の強化

 生産流通機能の高度化・PR推進として、衛生管理によるブランド力の強化、製氷・貯氷施設等の導入による水産物の高付加価値化、就労環境向上による後継者対策・担い手の確保、近隣地域と連携した多様な情報の発信、外来船対応機能強化による経済効果の獲得を目指します。

1-1 地域一体での衛生管理とPRによるブランド力強化

 様々な関係者で構成される専門部会が中心となり、必要に応じて漁業関係者等を対象とした衛生管理に関する講習会を開催するなど、地域一体となって一貫した衛生管理に取り組むほか、女性に配慮した作業環境へと改善を図るとともに、製氷・貯氷施設等の導入により更なる鮮度保持対策の向上を目指します。

 また、ソーシャル・ネットワーク・サービスを活用し、漁業や水産業に関する情報を消費者に発信することで、取り組みや効果のPRを図ります。

1-2 外来船対応機能の強化による経済効果の獲得

 登別漁港は、イカ釣り外来船の漁場距離・流通面において好立地であり、今後は登別漁港を利用する全国各地の漁協や乗組員のニーズを把握するとともに、乗組員に快適に過ごしてもらうための福利厚生施設の整備など、漁港の整備に応じた誘致活動を実施していきます。

目指す姿-2 地産地消推進による地場の水産応援団の拡大、観光との相乗効果の発現

 地産地消を推進し、地域住民等を対象とした水産応援団の拡大と、温泉等の周辺観光地への安定供給体制の確立による相乗効果の発現を目指します。

2-1 直販等による域内消費・水産応援団の拡大

 地場産は地元の人が認めてこそ本物の証です。

 そのため、地域の商工・観光と連携し、登別漁港及びその周辺にて直販(朝市・夕市等)や食堂への供給を行うほか、観光施設・量販店においても地場産フェア等を開催し、極上品質の登別・虎杖浜ブランドから時には雑魚の格安提供、場合によっては農産物も含め、産地でしか味わえない食の提供を行います。

 また、インターネットやソーシャル・ネットワーク・サービスの活用により、食の情報発信を強化し、旬の情報の提供や料理レシピの公開など、登別・虎杖浜ブランドのポテンシャルの最大限発揮を図ります。

2-2 観光への安定供給確立による相乗効果の発現

 観光との連携は本計画のポイントとなるため、様々な関係者で構成される専門部会を新たに設立し、地域との連携をより密にして、水産物の更なる活用や漁業関連の観光資源創出に向けて取り組みます。

 まず、質的・量的な供給が求められる水産物は、温泉宿泊施設や周辺観光地への安定供給の必要性から、畜養の実施や大量消費に対応する加工場との一次加工体制の確立を目指すとともに、希少な水産物は仲買業者や温泉宿泊施設と連携し「特別限定メニュー」として提供する体制の確立を目指します。

 また、漁船への体験乗船や漁港風景の活用など、水産業に関わる様々なものの観光資源化を図ります。

目指す姿ー3 「まちづくり」の一環としての漁港づくり

 まちづくりの一環として、漁港の立地・機能を生かし、総合学習の推進、プレジャーボートとの共存、防災機能等の強化を図ります。

3-1 漁業体験等による総合学習の推進

 漁業への理解を深めるため、教育機関等と連携し、サケの採卵・放流体験やタラコの箱詰め体験など各種体験学習を実施し、肌で感じることで記憶・学習する機会を創出するほか、魚食文化を受け継ぐ場として、料理教室等を実施していきます。

3-2 プレジャーボートとの共存

 漁港漁場の利用について、地元プレジャーボート団体と漁業者が協議してルールづくりを行い、自主的な釣果制限も設け必要に応じて講習会を開催するほか、漁港利用者として両者が連携し、「漁港清掃」や「お魚を殖やす植樹運動」など、漁港の環境を向上する努力を継続していきます。

 さらに、漁港利用者全員を対象として、トイレの美化使用やポイ捨て禁止といったマナーの啓蒙、また、駐車場に関するルールの普及徹底を図ります。

3-3 「まちづくり」との連携

 漁港は、漁業活動面・都市交流面の両面から、スムーズなアクセスを確保することが重要であるため、アクセス道路等の適切な維持管理について、必要に応じて関係機関に対し要望していきます。

 また、登別漁港はJR登別駅直近に位置するため、列車の発着時に車窓から見える漁協施設や新たに建設が予定されている人工地盤等を活用した、登別漁港のイベント等のPRを行うことにより漁港への誘導へつながることから、都市交流や観光客との交流を介して地域の水産振興の発展を目指します。

3-4 防災・減災拠点としての漁港施設の活用

 登別漁港は崖地に囲まれた閉鎖的な地形に位置し、東日本大震災の際には最大約1mの津波が襲来するなど、津波に対して危険な状況である一方、漁業活動の拠点とともに海洋性レクリエーション・漁業体験の場として多様な人に利用されていることから、今後は漁業関係者や一般利用者が一体となって避難マニュアルを策定し、そのマニュアルに基づいた避難訓練の実施など、安全・安心な漁港づくりを推進します。

登別・白老(虎杖浜)地域マリンビジョン通信

第1号(平成23年3月発行)[PDF:377KB]

第2号(平成23年6月発行)[PDF:240KB]

第3号(平成23年11月発行)[PDF:769KB]

第4号(平成24年6月発行)[PDF:206KB]

第5号(平成25年5月発行)[PDF:201KB]

第6号(平成25年12月発行)[PDF:289KB]

第7号(平成27年1月発行)[PDF:254KB]

第8号(平成27年12月発行)[PDF:287KB]

問い合わせ

観光経済部 農林水産グループ
TEL:0143-85-2321
FAX:0143-83-5302

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