市長挨拶(平成15年6月27日委嘱状交付にて)

公開日 2013年03月13日

おはようございます。

かねてから早いうちにまちづくりの条例を定めたいと思っておりましたが、この度、まちづくり基本条例を策定するにあたり、委員の公募をしましたところ、今日ご出席の皆様にそれぞれご応募いただきました。誠にありがとうございます。

また、皆様にはほとんど顔なじみの方ばかりでありまして、いろいろな分野でまちづくりのためにあるいは市政の推進のためにご協力いただいていることに対しまして心より感謝申し上げます。

地方自治体は、自治体の自治という言葉のとおり、そこに住んでいる人たちが自分たちの意志や判断でまちを治めていくのが基本でありますけれども、ご案内のように地方分権一括法の施行以来ようやく国の中央集権化から本来の趣旨にのっとった地方自治を進めていこうということから、国と地方の役割分担をしっかりと定めて、まだまだ、緒についたばかりではありますけれども、地方に権限委譲をすることになりました。

その受け手として、地方自治体は本来のあり方をより明確に、住民参加を広げ、自主・自律のまちづくりに徹し、しかも国への依存の体質を改めて、これまでの国・道の機関からの指導に従うといった関係から対等の関係にもっていくといった改革が打ち出されています。

従いまして、私たちは今まで以上に地方自治体の行政を授る者として、これまでも情報の開示に努めるとともに、より多くの市民の方に市民参画をしていただき、例えば平成8年に仕上げた新しい総合計画でありますとか、或いは環境条例でありますとか男女共同参画基本計画、その他にも福祉計画など市民の皆さんの参画をいただいております。しかし、まだまだ参画の程度と言うのは不十分でありまして、もっともっとより多くの市民の皆さんに参画してもらいたい、参画を権利として認めるとともに参画することが義務であるという意識を持っていただきたいと思います。

行政としては、市民が何を行政に求めているのか、期待されている行政サービスとは何か、自らが出来ることは何かをしっかりと見極め、役割分担をして、力を合わせて協働でまちづくりを進めていく体制を作り上げたいと思います。

そのシステム作りをしっかりと構築したいとかねがね申し上げてまいりましたが、これは口で言うのは簡単ですが、実際には難しく、今後も試行錯誤を繰り返しながらすばらしいものにしたいと思います。

その基本となる理念をまとめたものを条例として作りたいと思っております。従って、まちづくり基本条例は、まちづくりの土台となり骨格となるものであり、いわば憲法ともいえるようなものになると思います。

市には多くの条例がありますから、いろいろなことが条例で定められておりますので、細細としたところまで立ち入ることは考えていませんが、ほとんど骨格にしたいと考えています。

条例づくりをするということは、頭の中には市民参画や協働といったシステムのあり方をそれぞれ思い描きながら取り組むことになると思います。

これまでは、条例や計画を作る時には、たたき台を行政が示して、それについて議論をしていただくという方法を採ってきましたが、今回は白紙から生み出すわけですから、本当の意味での市民参画になると思います。

ただし、委員会の皆さんが、資料を集めたり調査をすることに時間を費やしては時間がかかりますから、そういったことは、先ほど紹介しました庁内の研究会のメンバーが、皆さんの指示を受けてそういったことをさせてもらいます。

先日、議会でも論議されましたが、条例づくりには相当の期間が必要だということで、私が目途として来年の3月にまとめたいと言いましたら、期間が短すぎると言われました。

考え方によっては、そういうことも言えるかと思いますが、しかし、委員の皆さんが長い間、条例づくりに縛られるということは大変なことだと思いますし、庁内のメンバーも異動で仕事が変わるとなかなか継続することが難しくなりますので、一応目途として来年の3月くらいまでにまとめあげるよう取り掛かっていただきたい。

もちろん、これは皆さんの取り組み方によりますので、頭からおさえつけようとはいたしませんが、目標として来年の3月くらいを私の希望としてはもっております。

委員の皆さんは、お仕事をしながら取り掛かってもらうわけですから、大変なご苦労をおかけすると思いますが、登別市がただちにこれに基づいて素晴らしいものになり、効果がすぐにでるものではありませんが、私どもの子供たち、孫たちが本当に“いいまちだな”と思えるようなまちづくりを進めるために、よろしくお願いいたします。

また、地方分権を進める過程で、多分、本日閣議決定されると思いますけれども、三位一体の構造改革、骨太の基本方針の第3弾が決まります。

これには地方自治体に対する税源の移譲が組まれていますが、これとともに、これまで地方の役割に課している事務を、それぞれ大きい小さい自治体がありますが、それぞれがやりとげるために必要な財源を保障するという意味で、財源保障機能を持った地方交付税という制度がありますが、その総枠を抑制する、保障機能を縮小するといったことが盛り込まれております。

また、国の権限あるいは画一的な仕事の進め方を改めて、地方自治体の自主性に委ねるという観点から国庫補助金や負担金の削減を考えており、4兆円を3年間でやるといった目標を立てていますけれども、具体的な中身はさっぱり検討されておりません。

これから省庁間あるいは議員の論争が行われると思います。

私どもとしては、国から税財源の移譲が適切に行われなければ、本当の地方分権にならないわけですから、我々の方からもしっかりと国に意見を言って、仕事だけを押し付けるのではなくて、財源の移譲を行うといったやり方をしっかりと進行管理していきたいと思っております。

その過程で、住民に最も近い行政サービスを行う地方自治体の基礎的自治体の規模と申しましょうか、あり方というものを本来は先に論議しなければいけないものが、後回しになっています。 後回しにしながら期限を定めて合併の推進をしようと言うことをやっているわけですから、なかなか、自主的な合併といっておきながら判断をしかねる、一体、自分たちのまちは標準的な大きさになっているのかどうかということや、或いは、大きな基礎自治体、例えば政令都市とまでいかなくでも中核都市といわれる30万人規模を目指すのか、或いは特例市といわれる20万人に都市を目指したほうがいいのか、現行の制度では、都市の規模によって権限を持っている、例えば政令都市であれば都道府県と同じような権限を実際持っているわけですから、そういうことを目指すのがいいのかどうかということ、そのことが住民の幸せにつながるのかどうかということがあるわけでして、そういう検討をしっかりやらなければならないのですが、基礎的自治体のあり方という論議がこれから始まろうとしております。

しかし、実際に生活圏、経済圏が広がっていき、交通や情報の伝達技術が益々進んでいきますので、行動範囲が広くなることを踏まえて、将来のまちづくりの基盤、エリアと申しましょうか、どう考えるかということも検討していかなければなりません。

これは、基本条例づくりとは別におにたま協議会が論議していますが、それとは別に合併ということについては、別の角度から行政や議会が責任を負っていますので市民の皆さんとの話し合いをする機会を広げていきたいと思っております。

まちづくり基本条例は、登別市のまちづくりの基本の柱ですので、ご検討いただきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

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